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【観音霊験記 秩父巡礼】廿六番下影森万松山円融寺/秩父次郎重忠

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
観音霊験記 秩父巡礼廿六番下影森万松山円融寺 秩父次郎重忠

観音霊験記 秩父順禮ちゝぶじゆんれい 秩父巡礼廿六ばん 下影森しもかげもり萬松山ばんしようざん圎融寺ゑんゆうじ

當山たうざんそらしのぎし高山かうざんにて、なほ 奥院おくのゐんのぼりては、月宮つきかつらをりべく深谷しんこくのぞみては、森々しん/\としてむすぶの清水しみづ煩悩ぼんのうあかきよめ、岩上がんじやうには愛宕あたご金毘羅こんぴら鎮護ちんごかみあがめ、すべ岩竇がんとう弘法大師こうぼうだいし護摩壇石ごまだんせき佛國禅師ぶつこくぜんし座禅石ざぜんせきそのほか諸神しよじん諸佛しよぶつ尊躰そんたい堅固けんごならびたち玉ふ絶景ぜつけい霊場れいじやうなり

※ 「岩竇がんとう」の竇という漢字は、穴、あなぐらという意。
※ 「佛國禅師ぶつこくぜんし」は、鎌倉時代後期の臨済宗の僧、高峰こうほう顕日けんにち諡号しごう

秩父次郎ちゝぶのじらう重忠しげたゞ
當國たうごく住人ぢうにん 秩父ちゝぶ別當べつたう武基たけもと玄孫げんそん太郎たらう重弘しげひろこの尊像みほとけしんじ、大檀那おほだんなたるがゆへ、其子そのこ重能しげよし、此子重忠しげたゞことにしんじて灵驗れいげんかうむることすくなからず。

※ 「秩父次郎ちゝぶのじらう重忠しげたゞ」は、鎌倉幕府の有力御家人のひとり、畠山重忠はたけやましげただ
※ 「灵驗れいげん」は、霊験。

奉額
  夜寒さや 寝こゝろ洗ふ 水の音

 たづねいり むすぶ清水しみづの 岩井堂いはゐだう   こゝろのあかを すゝがぬはなし



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