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豊後河太郎(ぶんごのかわたろう)

豊後ぶんごかわ太郎

形、五、六歳の小児のごとく、遍身そうみに毛ありて猿に似て、眼するどし。常に、湊辺へ出て相撲すもうを取也。人を恐ることなし。されども、間ぢかくよれば、水の中に飛入也。時としては、人にとりつきて水中へ引き入れて、其人を殺す事あり。河太郎と相撲を取たる人は、たとへ勝ても正気を失ひ大病をうくると云。しきみの抹香まつかう、水にてのましむれば、正気に成と也。河太郎、豊後国に多し。其外 九州の中 所々に有。関東に多し。関東にては 河童かはわらは と云也。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本山海名物圖會 五
形五六歳の小児のごとく
遍身に毛ありて猿に似て眼するどし
常に湊辺へ出て相撲を取也
人を恐ることなし
されども間ぢかくよれば水の中に飛入也
関東にては 河童(かはわらは)と云也


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