百人女郎品定(下)
三ケ津 色里の始
※ 「傾国」は、ここでは、遊女のこと。
※ 「けいせい」は、傾城。ここでは、 遊女のこと。
※ 「にくてい口」は、憎体口。憎々しい物言いのこと。
※ 「天竺」は、インドの古称。
※ 「震旦」は、古代中国の異称。古代インドで中国(秦国の土地)をさした語の漢字表現。
※ 「天神」は、ここでは天の神のこと。あまつかみ。
※ 「地祇」は、地の神のこと。国つ神。
※ 参考:『三都花街めぐり(新町)』『新町遊廓沿革』『嬉遊笑覧 下』『大阪府全志 巻之2』
※ 「こばして」は、知ったかぶりをして、気取った言い方をして。こばす。
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〔京島原〕太夫 新ざう 引舟 かぶろ やりて 局女郎
※ 参考:国立国会図書館デジタルコレクション『一目千軒』「太夫之事」「天神之事并大天神の事」「新艘の事」「禿の事并二人禿の事」「引舟の事」「局之事」「遣手の事」
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大天神 小天神 鹿恋 かぶろ
※ 参考:国立国会図書館デジタルコレクション『一目千軒』「天神之事并大天神の事」「鹿恋」
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くつわの女房 かぶろ かこいはし身仕廻
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〔江戸よし原さん谷〕太夫 新ざう かぶろ たいこ女郎 あげやの女房
※ 参考:国立国会図書館デジタルコレクション『一目千軒』「太夫之事」「天神之事并大天神の事」「新艘の事」「禿の事并二人禿の事」「牽頭女郎の事并芸子の事」
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うめちや女郎 さんちや女郎
※ 「さんちや女郎」は、散茶女郎。江戸新吉原の遊女の格付けのひとつで、太夫、格子に次ぐもの。
※ 「うめちや女郎」は、梅茶女郎、埋茶女郎。江戸新吉原の遊女の格付けのひとつで、太夫、格子、散茶に次ぐもの。
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〔大坂新町〕太夫 天神 やりて かぶろ
※ 参考:国立国会図書館デジタルコレクション『一目千軒』「太夫之事」「天神之事并大天神の事」「禿の事并二人禿の事」「遣手の事」
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局女郎 塩の位 影の位
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てかけ奉公人 きも入かゝ 月かこい物
※ 「てかけ奉公人」は、妾奉公人。
※ 「きも入かゝ」は、肝入嬶。
※ 参考:国立国会図書館デジタルコレクション『お大名の話 8版』
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風呂女 くわしや 宿のかゝ つり物女
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茶屋女 娘分 くはしや ふたせ
※ 「娘分」は、遊里で娘として預かって勤めに出す芸妓のこと。
※ 「ふたせ」は、二瀬。下女と妾 など、ふたつの役を勤める雇い女のこと。
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しば物の札茶屋 たうふ茶屋 水茶や
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奉公人宿かゝ ほうこう人の女
歌びくに はたごや出女
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大ゆな 小湯女 大原神子 おちやない
※ 「おちやない」は、落買のこと。抜けた髪の毛を買い集めて、かもじ(髪を結うとき添える毛)を作る女性のこと。
※ 参考:国立国会図書館デジタルコレクション『日本大辞書 第3巻』「おちやない」
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〔さん所〕取上ばゞ お里のこしもと
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時宗の室
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あづさ神子
※ 「あづさ神子」は、梓巫女。梓弓の弦を打ち鳴らして神霊・生き霊・死霊などを呼び寄せ、自分の身にのりうつらせて託宣をする巫女のこと。
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わたくり
※ 「わたくり」は、綿繰。 綿花を綿繰り車にかけて、種子を取り除く作業こと。
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そうめんの粉引
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夜の水茶屋 惣嫁 夜鷹
※ 「ふすゐ」は、臥猪。ここでは「臥猪の床」をいっていると思われます。猪が茅・葦・枯草などを敷いて寝ているところ。また、人が野宿するためにそれをまねて作ったもののこと。
※ 「つり夜着」は、釣夜着。夜具の重さを軽減させるために、掛け布団の中央に金輪をつけて紐で天井から吊るしたもの。
※ 「きぬ/\の別」は、後朝の別れ。男女が共寝をして過ごした翌朝の別れのこと。
※ 「夜鷹」は、江戸で、夜間に道ばたで客を引いた私娼のこと。
江戸時代、私娼のことを、江戸では夜鷹、京都では辻君、大坂では惣嫁と呼んでいたそうです。
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※ 参考:国立国会図書館デジタルコレクション『一目千軒』『燕石十種 第3』
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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