大和国 葛根ヲ掘図 葛之粉製図
大和国 葛根ヲ掘図
葛は、山野に自然に生る蔓草にして、春、旧芽より新芽を生し、一莖三葉にして、葉茎に毛あり。秋、葉の間より穂を生じ、花を開く。豆の花に似て、紫赤色なり。後、莢を結ぶ。その根、うす紫にして、肉白色なり。この根を冬より春の発芽のときまでに、鶴はしにて、ほりとり、土をあらひ、石盤のうへにて打●し、桶に水を入、中にてもみいだすなり。
大和国 葛之粉製図
扨、もみ出したる汁を、布の袋に入て絞り、再び木綿袋に入て濾し、一日の間、静定て上は水を捨、かたまりを乾し、底に付し黒き●を削り、又、澄し、桶に入てかきまぜ、沈滓するにしたがひ、上水を●り、此ごとく、再三に及びて、乾したるを、灰と布を敷たる、晒匣にいれて、日に干す也。是を灰くすといふ。
此灰くすを、前の如く、水干するに、七、八度にして後、厚紙を敷たるさらし箱に入、日に干たるが●、葛粉也。
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筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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