この note では『大和名所図会』の挿絵ページを翻刻します。本文ページは大正時代の活字版があるのでそちらを参照してみてくださいね。👀 → 国立国会図書館デジタルコレクション『大日本名所図会 第1輯 第3編』(大正8年)
※ 「古今」は、古今和歌集。
※ 「新千載」は、新千載和歌集。
※ 「なら」は、奈良山のこと。現在の鴻ノ池運動公園周辺の佐保山、黒髪山などの総称になるそうです。
※ 挿絵では、朝香山のふもとに大乗院が見えます。現在は名勝旧大乗院庭園と奈良ホテルになっています。
※ 挿絵の中央に、興福寺の五重塔が見えます。右下の大きな池は、猿沢池です。
※ 挿絵の右下は平城宮跡、中央奥には(左から)一りつか、雲井坂、みとりいけ、とゞろきばしが見えます。
※ 「凉袋」は、江戸時代中期の俳人、建部綾足。凉袋は別号。凉袋凉袋
※ 「宅守」は、中臣宅守。万葉歌人。
※ 「青丹吉ならのおほぢはゆきよけど此山道はゆきあはしけり」は、あをによし奈良の大路は行き良けどこの山道は行き悪しかりけり。
※ 「楯《かいたて》」は、陣地に敵の矢を防ぐために、垣のように楯を立てて並べたもののこと。
※ 「逆茂木」は、敵の侵入を防ぐために、先端を鋭くとがらせた木の枝を並べて結び合わせた柵のこと。
※ 奥に見える山は春日山、その手前が若草山。右上には、二月堂と大仏殿が見えます。
※ 「藤波」は、藤の花房のこと。藤の花房が風になびくさまが、波の打ち寄せるような動きであることから。
※ 「善城寺」は、奈良坂(般若寺越)の頂にあった寺のこと。北明山善城寺(禅定寺)。
※ 挿絵の旅館は、「やまとや」と染められた暖簾がかかっています。
※ 「はせを」は、芭蕉。松尾芭蕉。
※ 「元興寺」は、元興寺にまつわる鬼のこと。がごじ、がごぜ。
※ 「続後拾遺」は、続後拾遺和歌集。
※ 「大納言公實」は、藤原公実。
※ 「玉葉」は、玉葉和歌集。
※ 「さいたづま」は、虎杖の別名。または、春に萌えでた若草一般のこと。
※ 「常盤井入道」は、西園寺実氏のこと。
※ 「定朝」は、平安中期の仏師 定朝。定朝様と呼ばれる和様の仏像彫刻様式の始祖。
※ 「花洛」は、京都のこと。
※ 「閼伽井」は、仏前に供える閼伽の水をくみ取るための井のこと。
※ 「常矩」は、江戸時代前期の俳人、田中常矩。
※ 「其角」は、江戸時代前期の俳人、宝井其角。
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖