阿波国 藍製之図 藍玉製之図
阿波国 藍製之図
夫 藍は、山城、大和、河内、美濃、両野、三陸、播磨、四国、九州、等に産出すといへども、就中、阿波の中島を上等とす。そのあらまし、先づ、節分に種子を下し、凡廿五日へて芽を生ず。後、七十五日すぎて、苗六、七寸に至るを度として、他の園に栽かへ、後、七十五日すぎて、土用の前に刈込むなり。さて、二番刈込は、一ばんの刈かぶより再び生じたる物にして、凡三十日を経て、刈とるものなり。
阿波国 藍玉製之図 二
刈取たる全草を、三部に分け、末の方十分を「上リン」、中の方十分を「中リン」、本の方十分の四を本葉と区分し、鉈にて細々にし、日に干し、黒色に化するを度として、莖を去り、俵に納むる也。打粉は朝より刈倒、日に干、四分六に押切るに、竿にて打てなし、葉と莖と分けて納む。藻製は、すくも蔵に入、筵をかけ、●に水を注ぎ、床返をして、八十日の後に、四貫目程を一臼として、上品は二日程搗て、二十五に丸め俵に納むるなり。
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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