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【梅園魚品図正】(32) 平目(ひらめ)
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平目
『閩書』 鰈魦魚 又 鞋底魚 と云
關東にて平目と云。
※ 「關東」は、関東。
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此魚、左の目は明に、右の目は晦の味。今閩廣 以 此魚 名 比目 。鞋底魚、中夏 名也。
沓の底の形に似り。本邦にも鞋底と云。倭漢同名也。鰈と同類に而別也。鰈は其腹脊、平目と左右違り。是以別種とす。
※ 「中夏」は、ここでは中華のことと思われます。
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駿州沼津の之人語曰く、平目魚、沼津海上にて多く釣。其釣魚を則、舩中にて菰に包置●● 釣 之。未 不 死者、色白、色 無 赤色 則 漁人 不 死所の魚の腹及び脊を、爪にて二三度鱗をかき上る。則、赤色出て腹及び脊節●皆赤色を帯す。是を血はしり平目魚と云。色の赤きなきは、舩中多く釣時、漁人の手の届かざる故也。皆性相同じ。
※ 「駿州」は、駿河国。
※ 「舩中」は、船中。
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癸巳十一月十有六日 真寫
海魚類
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筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。
また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ
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