【梅園魚品図正】(20) 牛尾魚(こち)
牛尾魚 コチ
『臺湾府志』 牛尾魚 コチ
和俗、用 魥ノ字 。
『料理綱目』 鯃 コチ
俗説曰、コチの骨、咽喉に骾には抜がたしと云。コチの骨にも、不 限、諸魚の骨ののんどにたち、抜がたきには、縮砂、甘草、等分に末にして、綿のきれに 褁 含て、汁を呑む。痰に隨、而 抜出る。是 効あり。
※ 「骾」の漢字は、食べた物の骨がのどにつっかえる、刺さるという意味。
※ 「縮砂」は、ショウガ科の多年草。漢方薬に用いる生薬のひとつ。縮砂。
※ 「甘草」は、マメ科の多年草。漢方薬に用いる生薬のひとつ。甘草。
※ 「末にして」は、粉末にして、という意味でしょうか。
◇
筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。
また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ
● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖