周防国 香蕈之図 岩蕈採之図
周防国 香蕈之図
香蕈は、柯樹の朽たる材より自然に生ずると虽も、世に給するにたらず。故に、人口を以て製する夥し。則、柯樹、檞、櫧、●●等の材を切り、斧を以て傷をつけ、捨垂る三年、而、全身の朽腐を除き、林中に列へ、建架おく時は春分に到て、香蕈を発生す。是を収て、援材を水に浸し、取出して、木槌にて打こと厳く、再列並、時は三日を経て、蕈発生す。
同国 岩蕈採之図
石耳は、岩上の湿気ある所に、自然に生するものにして、皆、山上の険所に生す。形、木耳に似て、甚だちひさく、松の■ [■は草冠+納]の如し。黒色にして、莖なし。是を採るには、梯をかけ、縄にすがり、或は、畚にのり、木の枝より釣下り、其危きこと、猿の木つたふ如くなり。
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