伊賀国 磨砂 同国石炭山之図
伊賀国 磨砂
磨砂は、山田郡長の山より出す。砿属にして、其色白きこと雪の如し。其用、銅鉄を磨き、畳表 を製するに用ゆ。又、是を篩ひ、香具を和し、紅をさして、歯磨薬を製するにおひただし。此砂は、白亜の稉にして、粘なしといふ。
同国 石炭山之図
石炭は、長野笠取兠●にて産す。砿属にして、其色漆の如し。山中深く堀入て出こと金山とおなじ。其用、木炭より火気倍せるをもつて、蒸気の力を用る物、及び、金石を鎔鋳する物、尽く用ひざるなし。又、油を製して、燈火に用ゆ。
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