幼き日を訪ね
わたしの人生で一番思い出深い駅、
その駅は、
山梨県甲府市、JR身延線の金手駅(かねんてえき)。
大きなホームが何本もある、ひとつ先の甲府駅とは対照的に、ひっそりと佇む無人駅だ。
片面一線の小さな駅で、一時間に停まる電車も大体が一、二本。
そんなあまり知られていない駅を、わたしは何度訪れたんだろう?
記憶は定かではないが、十数回ぐらい。
新大阪からの旅路は、五時間ほど、かかったろうか?
静岡駅で東海道本線に乗り換えるとき、ホームを歩く駅弁の売り子さんから
釜飯弁当と、細い針金の取っ手がついた蓋つきコップのお茶を買う。
『 ふじかわ 』に乗り、富士~鰍沢口駅(かじかざわぐちえき)までが駅弁タイムだ。
ちっちゃなコップにお茶を入れ、紙の包みを開ける。
窓から変わりゆく空や街の景色を眺めながら食し、やっと目的の駅に到着した。
電車の扉が開く。
ホームとの隙間が広く、隙間に落ちないようにジャンプしてホームに降りた。荷物を抱え駅の階段を下る。
すぐ側の踏切を渡って少し歩くと、わたしの田舎がある。
大好きなおじいちゃん、おばあちゃん、母の家族が温かく迎えてくれた。
ホームから、見える踏切。
駅の左手に見える壮大な山々。
石の階段を登り、神社の境内で遊んだこと。
「一緒にいきゃあ、いいだに♪」と
裏山から登り、遊びに行った『こどもの国』
おじいちゃんが決まって腕を奮ってくれた、すき焼きのご馳走。
薪の香りが広がる、熱いお風呂。
夜、踏切の音を聞きながら、布でぐるぐる巻きにした『あんか』入りお布団でぬくぬくと眠りにつく。
帰る日に甲府の百貨店の地下売り場に行き、紫と白の化粧箱に入った信玄餅をお土産に買ったこと。
ゆったりと田舎で過ごした日。
そんなわたしの幼き日の思い出がたくさん詰まった駅、「かねんて」。
・・・
(あとがき)
母とわたしの生まれ故郷、甲府。
田舎の土地も売ることとなって、今は訪れることも出来ませんが、記憶の中で訪れ、懐かしい思い出に触れさせていただくことが出来ました✨☺️
✨おりチャレ2021✨に共に挑戦した、やんさん♪
素敵な駅の企画に参加させていただき、本当にありがとうございました✨
※この記事の写真は全て、web上から引用致しました。
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