仕事ってサボりたいもの?
先週から始まった「リーダーシップ開発:社会人へのトランジション」の授業で、社会人の先輩たちを招いて「若手社会人のリアル」を知るセッションをしました。その中で在宅勤務の話になって、ある学生から「家でやっていると仕事をサボりたくなりませんか?」という質問が出ました。この質問をきっかけに気づいたことが。
そもそもサボりたくなるような仕事に就いている時点で問題じゃない?
これが全ての人に当てはまらないことは承知しています。しかしリーダーシップを学んでいる人は、自分や組織・社会の状況を良くしていくことを学んでいるわけです。それがサボりたくなるような仕事になっているとしたら、報酬や安定性、世間での評価などに釣られて、本当はあまりそそられない仕事に就いてしまったのではないか?
そう話すと学生たちは「なるほど」というようにうなずいていました。授業後のリアぺ(リアクションペーパー - 今はデジタルだけど)でもここが印象に残ったと挙げている人たちがいました。
でも一人、リアぺに「私はそもそも仕事をしたいと思っていないのだけど、そういう場合はどうなんでしょう?」と質問を書いている学生がいました。
なるほど! ここで持った仮説は、「学生たちはそもそも仕事を、誰もやりたいことじゃないけど誰かがやらないといけないことだからやるとお金がもらえるもの」と思っているのでは、ということです(今週の授業で確認してみたいと思っています)。
確かにそういう仕事もたくさんありそうです。というか、そういう仕事がまだまだ大半かもしれません。でも、そうでない仕事もたくさんあります。対価を払っている側も「やりたくないことを代わりにやってくれたから金払うわ」というより「自分ではできないプロの仕事をしてくれたので金を払うよ」ということもたくさんありますよね。
あと、実は今すでに学生たちが自ら進んでやっているようなことが仕事になる面もけっこうありそうです。例えば部活やサークル。好きでやっている部分ももちろんあるでしょうが、いろいろ大変なことや面倒くさいこともあると思います。それでもサボってしまわないのは、実現したいことにつながると思っているからでしょう。仕事も似ているのではないか、少なくとも彼らだったらそうできるのではないか、と思います。
写真は山形から届いたさくらんぼ。ちょうど良い甘さと酸味でとても美味しかったです。これを作ったり収穫している人たちはサボりたくなるのかな?
(文責:早稲田大学 グローバルエデュケーションセンター(GEC) リーダーシップ開発プログラム 副統括責任者 高橋俊之)
仕事ってサボりたいもの?|早稲田大学リーダーシップ開発│モメンタム・デザイン (momentum-design.com)