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英語のリズムの秘密:リスニングで壁を感じたときに効くヒント

こんにちは。
英語コーチ/翻訳者のMariです。

英語を聞き取れるようになるには、個々の発音も大切ですが、強弱やリズムも重要です。

以前の私はこのリズムをつかむのがどうも苦手で。どちらかというと、頭の中でも文字で考えてしまうタイプなんです。だから文字通り聞こえないとなかなか聞き取れないという時期がありました。

字面ばかり考えていないで、もっと音を、そしてリズムを習得しなければと思い、音源を聞きながら英文に発音やアクセントを書き込み、それを意識して音読するというトレーニングをしていました。

でも、やっぱりオーバーラッピング(音源にかぶせて同じスピードで音読する)すると、どうもずれるんですよね。なんでついていけないんだろう・・・と悩んでいました。

今日はそんな私が見落としていたことをお伝えしようと思います。


弱く短く発音するところを意識する

私がうまくリズムに乗れなかった理由。

それは強調すべきところにばかり注目して、弱く発音すべきところを意識できていなかったからです。

学生の頃、単語を覚えるときにアクセントの位置に印をつけていませんでいたか?テストでもアクセントの位置を問う問題がよく出題されていたように思います。私は大人になってからも、その感じで強く発音するところだけ印をつけて意識していました。

だから、オーバーラッピングするときに強く大きく(長く)発音するところは合っていたんです。でも、弱く短く発音するところは自分のペースでやっていたのでずれていたんですね。

それに気づいてからは、弱く短く発音するところにも印をつけ、意識するようになりました。するとオーバーラッピングがうまくいくようになり、英語が聞き取りやすくなりました。特に機能語が連続するパターン(後述します)に慣れたのが大きかったと思います。

では具体的に何に気をつけて、どんなトレーニングをしたか、説明していきますね。まずは基本ルールから。

強弱のルール

細かいことを伝えだすと長くなるので、大きなルールだけ。

原則として内容語は強くゆっくり、機能語は弱く短く発音されます。

内容語:文章の意味・内容に大きく関係する単語
名詞、動詞、形容詞など
機能語:文章の中で文法的な役割を果たす単語
代名詞、助動詞、前置詞、冠詞など

たとえば
I went to the popular bookstore with my friend.
(私は友達と一緒に人気のある本屋に行きました。)
なら、太字の部分が内容語なので、強くゆっくり発音します。

「意味のある、しっかり伝えたい単語は強く、ゆっくり」と考えてもらうとわかりやすいと思います。

ここまで読んで、そんなこと知っている、聞いたことあるという方も多いと思います。

ただ、リスニングが伸び悩んでいるときには「強く、ゆっくり」は意識できていても、意外と「弱く、短く」を意識できていないことが多いです。そこに気をつけてトレーニングしてみましょう。

リスニング力向上が目的とはいえ、ただ意識して聞くだけではリズムは身につきません。次に説明する方法で、しっかり声に出すことでリズムを体得していきます。

具体的なトレーニング方法

スクリプト付きの教材を選ぶ

スクリプト(英文原稿)がついている教材を使います。英検やTOEICなどの対策本でもいいですし、実際のスピーチがよければ、TED talksなら英語も日本語も公式サイトから入手できるのでおすすめです。ただし、TED talksはスピーカーによってはかなり速いものもあるので、0.5または0.75倍速など、無理せず口がついていくスピードに調整しましょう。

音源を聞きながら、スクリプトに印をつける

音源を聞きつつ、スクリプトの弱く短く発音されているところに印をつけていきます。印の付け方は自分でルールを決めてもらえばいいのですが、私は次のような印をつけていました。

  • ほぼ消えているところは()で囲む

  • ぎゅっと短くなっているところは[]で囲む(圧縮されている感じ)

2つ目の「ぎゅっ」て何なの?と思われるかもしれません。これは機能語が連続するときに起こります。

could have beenやwith theのように機能語が連結しているとき、そのかたまり全体がとても短く発音されます。

リズムを考えずに読んでいると、たとえばcould have beenは3語あるから3語分ゆっくり読んでしまいますが、英語の音源を聞いてみると、とても短い時間にぎゅっと圧縮されています。

機能語が連結しているパターンは非常に多いので、このイメージを持っておくと with theやcould have beenのように機能語が連結している部分のリズムを取りやすくなると思います。

逆にこの圧縮されるイメージがないと、「クッド」も「ハヴ」も「ビーン」もどこ行った?!という感じになってしまうんですよね。

複数の単語を箱の中にぎゅっといれる感じをイメージしやすいように、私はこういう機能語のかたまりを[]で囲って意識していました。

印をつけたところを意識しつつ音読(オーバラッピング)

印をつけた英文を見ながら、音源にあわせて声に出して読んでみましょう。ずれていると感じるところがあれば、そこはリズムがつかめていないところなので、もう一度音源を聞いて確認します。

今回は弱く短く発音するところに特化してお伝えしていますが、もちろん強く発音する箇所やつながって聞こえる箇所に印をつけたり、発音記号やその他の気づきを書き込んでもOKです。

ただし、いろんな要素を入れてしまうと、どうしても強く発音するところや難しい発音があるところに注目しがちです。何回かは「弱く短く発音するところだけに気をつけて、他は普通に読む」ということをやってみるのがおすすめです。

このようにして、弱く短く発音するルールが身体にしみ込むと、かなり聞き取りやすくなります。頭でルールを理解していても、自分で再現できるようにならないと即座に対応できません。実際英語を聞いているときには「これが機能語で~」なんて考えている暇はないですもんね。ぜひ上記のトレーニングをして身体にしみこませてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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