にしむくさむらい
当たり前だけども、今年も、11月は30日までだった。
どの月が30日で、どの月が31日なのか。
これを私はたぶん7才くらいの頃、母から教わった。夏、薄暗い、北向きの台所で。
「にしむくさむらい、10の月って覚えるんだよ」と。
「にしむくさむらい」は「2、4、6、9、11月」を指す。
侍は刀が二本差しだから11月なのだと説明された。
教わってから、ずっと、そう覚えてきた。
これはごく一般的な、例えば「鳴くようぐいす平安京」のような定番の覚え方なのだろうけれども、その一度だけ、母からしか教わっていないな、と気がついた。
学校で教わるとか本を読んで知る、といった機会はなかったというか。
あってもよさそうなのだけど。
それで、息子、知らないんじゃないかと思い、教えてあげた。
教えてあげられて、ちょっと嬉しかった。