『アメリカを巡る旅 3,700マイルを走って見つけた、僕たちのこと。』(2022年7月10日発売)についてのいろいろ
ある日、ひとりのランナーが、アメリカ南部を走る旅に出た。
3,700マイルを、約5ヶ月かけて進んだ。
トレイルや砂漠、ロードを走り、川を進んだ。
そこに住む人々がいた。
人々の良心や、ハグのあたたかさがあった。
知らなかった「アメリカ」や、みんなのこと、そして新しい「僕たち」が姿を現した。
新しく見えたもの、そして、目には見えないけれど、確実にそこにあったものとは?------- 現代アメリカを旅した「ランニング・アーティスト」リッキー・ゲイツの目を通して、読者の思考は、私たち自身の社会と人々へ向かっていく。
自然と都市、そして分断や貧困、格差や差別といった困難の中にある人々の複雑で多様な感情と、そこにいる人間同志の「共感」が織り混ざったこの一冊を、多くのかたがたが手にしてくださると嬉しいです。
Noteでは、これから本書についての解説やコラムも掲載していきます。Instgramでのインタビューシリーズと合わせてお楽しみください。
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2020年に米国で刊行された本作は、「分断された」アメリカに住む「人々」に出会いなおし、「新しい自分たち」を見出していくという希望に溢れる物語です。「僕は」という1人称が、旅の道中に出会うたくさんの「人々」の物語へと変化し、それはいつしか「僕たち」という複数形で表現されるようになります。200枚以上の写真と独特のナラティブで綴られる物語は、国や時間を超え「私たち自身」が自らのありようを見出そうとする思考へとつながり、私たちがこれからを進む励みになる力を持ちはじめます。
初邦訳に際するインタビュー(Instagram@mokusei222 で公開予定)で、リッキー・ゲイツは、自然や都市において「Human(人間)」であることや「Empathy(深い共感)」という言葉を何度も口にしました。現代の人間にとってこういったことがどんな力を持つものなのか本書で体感していただければ嬉しいです。
リッキー・ゲイツは、コロラド州生まれのランナー/ジャーナリスト/アーティストです。自然に加え人工物、グラフィティ、タギング、ポスターなどの痕跡も記録し、「人間」を解き明かすためのプロジェクトが高い評価を受けています。
翻訳は『VOGUE JAPAN』などで活躍するライター/編集者の川鍋明日香氏が担当しました。遠い国の物語ではなく親密な訳文となったのは、国内外で活躍する川鍋氏のジャーナリストとしての豊かな見識によるところが大きいです。新しい世代の翻訳家として、要注目です。
ランナーやアウトドア好きの方々に加え、ジャーナリズム、社会学、人類学、文学、写真や芸術が好きな方々、学生など幅広い読者にお届けしたいと思います。プレゼントや夏休みの一冊としてもおすすめです。
スポーツ/アートを通して「世界」を知る名作シリーズとして『ほんとうのランニング』、『チャンピオンへの道』も好評発売中です。
長く読み継がれる定番セットとしてこれらの作品を読者の皆様にお届けしていきたいと思います。
ではではまた次回。
記:木星社