ラジオを聴けない子どもたち
「小学生の娘がラジオを聴き取れない」という、警視庁の警備部災害対策課に勤めている方のツイートが、少し前、話題になっていたそうです。
ラジオが日常生活に溶け込んでいる私には、軽い衝撃でした。
ゲームやテレビ、スマホ……目から入ってくる情報に慣れている子どもたち。自分はもう慣れ親しんでしまっていたけれど、「ラジオを聴く」という行為には、習慣というか、練習(トレーニング)が必要なのかも。
この記事を読んで同時に思い浮かんだのが、日本人は英語を読むのは得意だけど、ヒアリングや会話は苦手な傾向があるという話。
外国語もヒアリングを続けていれば、場数を踏めば、だんだん聞き取れるようになっていく。これと近いのかな、と得心。
それとは別にもう一つ、若い年齢層にラジオを聴いている人が少ないという話も衝撃でした。大正大学の北郷裕美さんによると、ラジオを聴いている学生は、感覚としては1%ぐらいだとか。
調査した上でのデータではないとしても、ラジオって少数派なんだな、と。
以前、当時よく聴いていたラジオ番組が、当時住んでいた町の商店街にロケでやってきたことがあった。そのとき、よくお店の前を通りかかっていた靴の修理屋さんが紹介されていた。
後日、そのお店を訪れる機会があったとき、「ラジオで紹介されてましたね」とお店の人に話しかけたら、そんなふうに反響があったのは、私だけだったとか。
「ラジオってマイナーなんだな」と意外な気持ちになったのですが、意外じゃなかったのかも。しょぼん。
7月12日の「パンサー向井の#ふらっと」(TBSラジオ)で、気象予報士の長谷部愛さんが、「ラジオは脳にもいい」という説があると紹介していました。
ラジオを聴いているとき、視覚からの情報がないぶん、耳からの情報をもとに想像することで脳が活性化して、脳波が動いてるという研究データがあるそうなんです。
しかも、ラジオの中で一番脳波が動いているのは天気予報のときだとか。目の前に地図がないぶん、頭の中でイメージして理解しようとして、脳が動いているのでは、と。
私はラジオの天気予報では、晴れか曇りか、気温は何度かと、デジタル的に情報を受け取っているので、そのとき脳が著しく動いているかどうかはわかりません。
でも、テンポのまどろっこしいテレビより、何かしながら聴くこともできて、ピンとくる情報に出会えるラジオの方が自由度が高くていいなと思う。
テレビの「見られていて当たり前」という横柄さより、偉そぶってないラジオの方が好感もてる。
不特定多数の視聴者相手にバッシングや横並びを気にして、ものがはっきり言えないテレビより、言いたいことを言っているラジオのパーソナリティに魅力を感じることが多い。
ともあれ、ラジオを聴く習慣があるのは、防災面でも悪いことではなさそうです。目にも優しいですし。もっとラジオを。