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#33 村にはたくさんの本が眠っている

こんばんは こんにちは こんにちは

ちょっとお久しぶりになってしまいました。
2月のスケジュールが怒涛すぎてマッハのスピードですぎ去りました。

本屋大賞は無事に全作品読み終えまして、昨日投票もすみました。
全国の書店員の皆さまお疲れ様でした。
想像以上にハードでしたけど、なんとか終えてほっとしています。
やっぱり本は時間に追われず、好きなものを好きなように読むのがいいんだよな……ということを再認識してしまうのですが、でももちろん参加してよかったと思うこともたくさんあって、普段読まない本を読めるというところも文芸担当としてはたくさんメリットがあるし、まず売り場を盛り上げることができるので、大賞発表までの期間、そしてその後もノミネート本をどう売っていくのか選択肢が広がるのは大きいです。

1ヶ月近く本屋大賞にかかりきりになってしまい、また積読がひどい増殖をしてきているので3月は好きな本を好きなだけ読みたいーーーー!!読むぞーカズオイシグロも出るし。


さてまだ発表できないことも多いですが、2月はいろいろと面白い話も舞い込んできた月でもありました。

この緊急事態宣言の中、なかなか道志村にも足を運べずにいましたが今までに集まった本たちがそのままになっているものなどもあり、先日少しだけ行って整理してくることができました。

そして全くの予定外だったのですが、滞在中に道志村移住センターの大野航輔さんから実はもう処分しちゃう予定の500冊の本が眠っている家があるという話を聞き、それはぜひとも見せてほしいと言うととんとん拍子に話が進んで、早速その空き家になっているおうちにご一緒させてもらうことができました。

行ってみたらものすごく立派な家で、柱は今の家ではまず見られないほどものすごく太いし、部屋は綺麗でなんと10部屋もあるとのこと。それに加えて大家さんが本当に丁寧にキッチンやお風呂場などリフォームされていて申し分ない状態。
こんな家に都心の1ルームほどの家賃で住めるなんて。
ありえんです。

みんな田舎に住んだらいいと思うよ。本気で。

おうちにかけるお金を他のところにかけられたら、本当に生活が激変すると思いません?

その分で少しいいものを食べよう、素敵な絵を買おう、それからたくさんの本を買おう。

夢がふくらんじゃうなぁ。

つい脱線してしまいました。
はいはいそれでその捨てちゃう本たち、大家さんがすでに運び出してしまったそうでその場所には一部しか残っていなかったのですが、その後また大家さんの家まで行けることになってその本を見せていただけることに。


大野さんと本について、本屋についてなど話していたら、本当に生活の中に自然に本があると言う環境を作ることがとても大切で子供たちにもそう言う環境を作りたいと言っていて、わたしも以前noteにも書いたことがあるように、全く同じように思っているのでそれはぜひ協力させてもらいたいとお話ししました。

大家さんの家に行くと、玄関に山と積まれた本また本。そして2台の車にぎっしり詰め込まれた大量の本が。
お話を聞くと本当にもう不要とのことで、もらってくれるならそんなありがたいことはないとのことだったので、急遽大野さんと一緒にこの大量の本たちを運び出すことになりました。

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本たちは捨てるはずだったと言ってもきちんと紐で束になって縛られていて、状態がいいし、すごく大切にされていたということがわかるものでした。

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こんなにまだまだ読める本だちを再利用させてもらえるのは本当にありがたいとこちらが言うと、大家さんもこっちも本当は捨てないですむんならそれが1番いいんだよー。使ってくれんならこんなありがたいことないわーと言ってくれて、汗をかきかき本を運びながらなんだかみんな嬉しい気持ちになってにこにこと労働したのでした。

その大量の本たちはとりあえず大野さんの家に運び込み、保管していただくことに。
今後どうするかはこれから決めるところなのですが、村の人たちがまず気軽に本に触れ合える場所を作れたらいいねという希望はあり、そこに向かってアイデアを出し合っていったらよいのではないかというところです。

道志村にはまだまだたくさん眠っている蔵書があるそうで、その本たちも活用する道はあるんじゃないかと出番を待っている状況のようです。

図書館のように無料で本を読める場所が会ったら、本屋に来る人が減るんじゃないかという人もたくさんいるかと思うのですが、わたしは必ずしもそうだとは思わなくて、むしろ無料で本を楽しめる場所があり、さらに足を踏み込みたくなったら好きな本を買える場所もあるという選択肢があるほうが、より一層読者層は広がるんじゃないかと思っています。
少なくとも私たちがやろうとしている小規模な図書館と本屋の場合、お互いに協力しあっていい効果を生み出すことができるんじゃないかと、大いに期待しているところです。

まだまだ実現するには課題も多く残るのですが、みんなで協力しあって一歩一歩進めていけたらいいなと思っております。

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(大野さんちに運び込まれた大量の本たち。日除けなどもちゃんとしてくれるそうです)

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