大野理奈子、塚田千束『ランデヴー -秋-』
大野理奈子さん、塚田千束さんの『ランデヴー -秋-』を拝読しました。
好きな歌や、エッセイの一部分を引いていきます。
私は犬を飼ったことがないのですが、犬は愛情のかたまりのような生き物なのではという印象を持っています。
溺れてるみたいになりながら、そんなことには気づいていないみたいに、必死に走り寄って来る犬。
愛さないではいられないですよね。
前足に着目しているのが面白い視点だなぁと思いました。
好きな一首です。
上の句の言い回しにとても惹かれました。
どんな状況なんでしょう。
下の句によると、それをされると苦しいらしい…。
勝手に解釈をすると、「私」の可能性や成長性を試すような出来事がときどき起こる。
その度に、神さまが気まぐれに自分を試しているように感じる、と読みました。
「私の胸」からは何が釣れるのでしょう。
それはきっと神さましか知らないのでしょうね。
なんだか神さまが小憎らしくなってきます。
好きな一首です。
ああ、こういう感覚好きだなぁと思いました。
何かの事象をどういう風に捉えるかはその人次第です。
それが多数派でなかったとしても、私の考えは、私の考えとして持っていていいんですよね。
「なんか違う考え」という認識を持ちながら、そのままの自分の感覚をすとんと座らせている感じが好きだなぁと思いました。
私はあまり小説は読まなくなってしまったのですが、本は好きです。
特に歌集は「言葉っておいしい〜!」と思いながら読んでいます。
なので、「物語を食べて」という感覚に、分かるわ〜とひとり頷いてしまいました。
「息継ぎ」というのも好きな感覚です。
現実を泳いでいくには、人それぞれ、息のつき方があると思います。
それが自分も好んでいる読書や短歌だったりする人と出会うと、どうしても嬉しくなってしまいます。
だから、私はこのエッセイと出会えて嬉しかったです。
ありがとうございました。