「他者との差異」と「独自の道」……そして年尾の挨拶
「どうして、木版画という人と違うもので進んでいこうと思われたのか?」
以前から、このような質問を頂くことがあります。
ただ、僕は最近になってこの「人と違うもの」という部分を、自分なりに考える機会がありました。
この不定期更新まっしぐらnote(自分でも分かってはいるのです……最近特にサボってる、と)でも何度か触れていますが、木版画とは一種のマイナーさを帯びた存在です。
だからこそ、俯瞰的に考慮すれば1億2000万人が生活するこの国で、僕は「普遍的ではない」ことをしているのは確かです。
しかし、日本で木版画をされている方は何万人(プロ・アマを問わず)といるはずで、もちろん「人と違う=僕だけが行っている」ということにはなりません。
「独自の道を歩まれていますね」
こちらは質問ではありませんが、よく感嘆の面持ちでかけて頂く言葉です。
僕の作品に魅力を感じでくださった上で言って頂くので、言葉に力を賜っている一方、先述の考えを踏まえた上で、僕が行っていることは決して独自ではない、と心の中で自分を戒めています。
独自性——。
たった3文字の言葉ですが、これは自らの意思だけでは絶対に創出できないと思っています。
かの高名なトーマス・アルバ・エジソンの名言を踏襲するならば「独自性とは、1%の思案と99%の研鑽である」といったところでしょうか?
畢竟、少なくとも僕の中で独自性は、技術の砥礪・研鑽を積み重ねた上での派生物でしかないのです。
言ってしまえば、これはただの開き直りかもしれませんが、思い返せば2017年に木版画に出逢ってから、数多の壁に当たり、その都度に試行錯誤を重ね、邁進して参りましたが、「独自性」を追い求めたことは一度もありませんでした。
それが僕の道のりでもあるので、今後もその点は大切にしたいと思います。
——後記——
この記事は、2024年末に罹患したインフルエンザの頭痛に苛まれている最中に考えたので、若干棘のある文面になってしまいましたが、「それもたまには良いかな」と思い、ほとんど変えませんでした(時間が無かったなど、他の理由も諸々……)
新たにnoteを始め、日常に様々なご縁を頂いた2024年、皆様本当にお世話になりました。
来年も変わらず応援頂けますと幸いです(note上の目標としては、もっと記事公開のペースを上げること……)。