五月の俳句など
鳥の悲の置かるる光ゆきのした
母星へと翅振るはする畸人草
青びかるアレスの膚柏餅
柏餅ひらくマルスの誕生に
豚骨スープより女神生れ夏霞
青葉潮豚骨スープ腑を満たし
↓(推敲案)
腑に満つる豚骨スープ青葉潮
鬼蓮や炙り叉焼とは溶くる
↓(推敲案)
叉焼の溶くるに任せ蓮の花
たなまたに甘ゆる影や夕化粧
抱かれてはアザレア殖るる瞳
香りとはあをいとり追ふ翌なき春
おしやべりを焙じて舌の待つ残花
オムライスたまご一個や薄暑光
海老フライ二尾付くランチ麦の秋
棘よりも香おそろしき薔薇園
薔薇をもてあなたひとりを留めたり
薔薇垣や赤壁いまも燃えてをり
帰りなむいざ白薔薇の陣抜けて
サカバンバスピスの醸すや新樹光
デモの手にソフトクリーム高々と
ジエラートの盛り片寄りて南風
明易し離れがたきは缶とタブ
夏暁やタブ起きて街焦げ臭き
青に止む夏の夜明けは秘薬はも
朝涼に明けて一面水世界
万太郎忌ときをり傘を逸しつつ
打つ雨と打たぬ雨あり牡丹忌
地獄とは発酵したる濃あぢさゐ
紫陽花や肉体を水ほとばしる
ガーベラや怪獣の遠ざかる国
人柱ガーベラ降りてくるは愛
アイスコーヒ嗄れ声の常連さん