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あなた
世界というものがあり、インターネットでそれがより確かに像を結んだかのように思っていたけれど、そんなものは無かったんだなと思い知らされた。
遠い国は遠い国のまま。
あなたなる夜雨の葛のあなたかな 芝不器男
その遠さこそを想う、ことで少し近しくなるような、そういう心もちを想う。
眼のくぼむあなた泉と云ふいつか 青本柚紀
この「あなた」にも「いつか」にも遠さを想うことで近づく感覚があるように思える。
遠くを差す「あなた」と他者を差す「あなた」、他者という絶対的な遠さをはらむもの、という認識、前提、そこに立つこと。