六月の俳句など
家族てふ不気味の谷を三光鳥
青梅雨のモーニングへと参らうか
梅雨入のトースト沈む深さかな
喫茶店出づれば常の梅雨晴
小鳥くるつぶあんぱんの見分けかた
ものを食ふための公園梅雨晴間
朝すずのものを食ひをる前を猫
濡れ砂をよろこびとしつ猫涼し
ため息を模倣してゐる草かげろふ
献身のしらべを薄翅蜉蝣と
たんぽぽや名店なべて老い仕舞
たんぽぽの絮の残るをレクイエム
水まんぢゆう阪堺線を重くして
天瓜粉ことりことりと阪堺線
阪堺線追い抜くソーダ水の泡
白夜いま柩へ入るクツキーシユー
おばさんのクッキーくらい日焼して
割れにけり秋色へ差すピスタチオ
梅雨寒の紫とほり純喫茶
悲をつかむメドーセージや梅雨の雷
荒梅雨やデユランタの沸きたつ裡へ
金亀子錆びつきてより雨の国
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