
二月の俳句など(2025)

姉夫妻よりのお土産
キム・ゴードン七十二歳蓬餅
豆打ちの後ろ姿の山頭火
立春の洗濯洗剤一年分

如月は身の空洞を焦がしつつ
二ン月の窓ぎはに文字引き締る

シヤトレーゼブルボンそれと春炬燵

生死とは三寒四温毎日香

肉焼いて喰うて伏しゐる春うれひ
陽炎を免るるやう肉を啖ふ

珈琲に空洞生る春ともし

普通のお店になってしまった
本店は違うのかしら
あいがけの五種全部盛山わらふ
バスマティライスほどける朧月

バレンタインデー
手作り
龍の玉集めてもらふチヨコレート
スノーボールクツキー解け羊歯萌ゆる
春闇の重力湛へブラウニー

日本水仙
用事より寄り道長し水仙花
丸刈りによろしき頭蓋野水仙

今日は猫柳
ピントが合わない
猫柳おちびちやんとは誰のこと
猫柳四重奏のピツチカート

毎年恒例モロゾフ
こぞりて
鐘おぼろ時間のやうにチヨコレート

注文してくれた中華弁当
迷わず酢豚
春風邪となれど茶色き弁当よ

リッチに
溜まりゆく血のくろがねを養花天
採血を三本収め日永し
↓推敲案
採血管三本ほどののどかさよ