第5回「円錐」新鋭作品賞落選作 俳句連作『スリープウオーク』
俳句同人誌「円錐」主催の年に一度の俳句賞。
応募〆切は2月15日、発表は5月2日でした。
第2回の時に知って第3回から応募と落選。
今年は応募しないつもりでしたが、〆切当日急に「あ、連作出来そう?!」となっての応募でした。
そして結果はともかくやはり今後はたぶん応募しないかなー。
コレは他の俳句の賞全般もですけど。目八拝
『スリープウオーク』
暗幕のぬくしぬくとし内に棲み
客席の一つ残して朧影
花陰を身に染込ませ文化かな
コンセントレーシヨン蝉は次の地へ
境界を歩みに歩みありく跣
壁一つ花火の一つ半歩半歩
満月のはや欠けゐたりインプロージヨン
怖ろしきものに手を伸べ水蜜桃
やれ蓮や肩すかしして縁を沿ふ
薬喰生きつぱなしも気を遣ふ
冬館鉱物標本ごと居ます
ふゆかもめ千切れた刻の如くあり
立ち歩む場所立ち歩む寒稽古
冬の虹歩く速さで巻きにけり
翁童の陰の行交ふ焚火かな
足もとに火の源や春の闇
恐怖まだ遠くにをるや春の雷
骨は哀しみではなくて梅ましろ
もうだれのものでもなくてしやぼんだま
こんにちは春愁よ螺旋階段