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十二月の俳句など


一駅先の喫茶店の奥
中庭の前の席

文鳥や愛日のなか愛されて

文鳥と分けあふ窓の冬日射

近所の小学校
桜紅葉をあらためて認識

追ふ母を桜紅葉はさきがけて

もみづるを戸惑うて散る桜かな

百歩ひく桜紅葉に父を容れ

過客とはさくら紅葉を知らず寝ぬ

近所の気に入りの喫茶店
たぶん蔓梅擬

朝暗きなづきを標むる蔓擬

地元大阪五低山のひとつ。
古墳で公園でもある。
いろは紅葉
他に唐楓も。

垂乳根のみづあめ照りぬ唐楓

見えねどもいろは紅葉のまよひ道

枇杷の花。
はじめて認識したかも。

花枇杷の香のとどめゐる無人寺

背高泡立草もこうなるとかわゆい

和妻にはあらず泡立草の綿

家の前の通りの龍神さんの

逢瀬とは南天の実のたわわなる

今年最後
大晦日モーニング

公休と重なり大晦日の朝

モーニング営業のみや大晦日

煤逃を疑ひあうて喫茶店

掃納営業中もすすみゐる

年寄に長き師走の商店街

媼しかをらず除日のシヤツター街

みちのくの商店街を年用意

和菓子屋に餅を買ひたる異邦人

みばが悪いが年越蕎麦
毎年Sさんからもらう戸隠蕎麦
ほんとに美味しい

重き腰上がる年越蕎麦すすり

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