第十二回六枚道場参加作品俳句連作『青い燈台』田中目八
『青い燈台』
渡り漁夫千年つづる波紋かな
渦潮の隔つ種族に貴賤あり
ひな流し陸地で生きてゆく者の
海霧や陸の仕合せ海の幸せ
大客船深きに生る黒あげは
尼寺の木乃伊くらます半夏雨
かまきりやわたしの肉のなかにゐる
放生会しじまにいのち盈たしけり
新月やあはれむ歌のやうに海
かはごろも脱ぎてダンスは土の上
みづもちの比丘尼見つめてゐたりけり
地上にはゐない魚なり冬みかづき
あざらしのうたふや水に字は要らず
かひよせや海神の文またひとつ
澪つくし尾びれのごとく海市へと
惜しまれつつ最終回となった第十二回六枚道場参加作品です。
有難いことに坂崎かおるさんより「かまきりや」の句の解説をとリクエストを頂いたので今回は少し書いてみようと思います。その代わり?という分けではないのですが今回は季語やよみがなを振るのは無しで。私の怠惰により時間が経ち過ぎたのもあり。各自で調べてみてください。何かあればコメント下されば可能な限りお応えしたいと思います。(解説はまた後日追記します…かみんぐすーん)
また大ファンのハギワラシンジ氏の『ブンゲイ実況』で取り上げて頂きました。ご興味ありましたらぜひご試聴のほど。私の云々抜きにして毎回素晴らしく愉しい番組です。
最後に。
十、十一、十二回と三回のみでしたが参加できたことを心の底から感謝しています。
確実に私の血肉となったことは各回の作品にも既に現れていると思いますし、また今後の作品でも証明してゆきたいと思っています。
主催の紙文さん及び此れまでに作品投稿若しくは読者として参加された方々に重ねて感謝リスペクト!