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【読書感想】「頭に来てもアホとは戦うな」 田村耕太郎

読了日:2017/4/25

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苦手なヤツほど、徹底的に利用せよ。(1)相手の欲望を見抜き(2)腰を低くして、助けを求め(3)味方にする!目標がみるみる叶う最強の「人の動かし方」。
「BOOK」データベースより

この本の概要

この作者の経歴がすごい。
「どんだけ大学いってんだよ」と突っ込みたくなるほど、日本&海外の大学(しかも一流大学)に行っている。
さらに国会議員も経験済み。

この経歴、ご立派すぎて逆に鼻についてしまう気が…。
バッシングされやすいよね、人気商売でこんな経歴が派手だと。妬みひがみの格好の対象といいますか…。少し間引いといた方がいいんじゃないかとこっちが心配してしまう。
ま、余計なお世話でしょうけど(笑)

この本では、アホと出会ったときにどうすればいいかを作者が国会議員だったときの状況例を用いて説明しています。

ちなみに本のなかでは「アホ」を
「むやみやたらとあなたの足を引っ張る人だ。会議でなぜかあなたの発言だけにいちゃもんをつけたり、チームメイトなのに明らかに敵意を見せつけて協力的な態度をとらなかったり、明らかにこちらの意見のほうが正しいのに、権力を振りかざしてそれをつぶそうとしたり…。」
と定義しています。

アホへの対処法

アホへの対処法としては、
キライだからと言って距離をとり、接することをやめてしまうと、お互い猜疑心が高まり、ますます関係がこじれ、いいことがない。目的だけしっかりもって相手の懐に飛び込みましょう。と言っています。
いわゆるアサーティブコミュニケーションです。

この作者の方は、失敗しながらそのコミュニケーション術を体得していて、そういう体験のなかで、自分がどう変わったかをたくさん書いています。
上から目線じゃなく、失敗で何を学んだかっていう表現のしかたなので言わんとすることがすんなり入ってきました。
正解だけきれいに並べられても、感情面ですんなり入ってこないことがよくあるから、失敗をさらけ出してくれるとすんなり受け取れます。

目的への意思の強さ

話のほとんどが政治家時代の話なので、政治家の裏の策略とか権謀術数が垣間見えるのも面白かったです。

政治家になりたてのころは、ベテラン政治家が、状況にあわせて人に媚売ったり策略巡らせてるのをすごく醜いと思って毛嫌いしてたんだそうです。
でも毛嫌いしてても、結局味方は増えず、敵が増える一方。味方が増えないとやりたいことはちっとも実現できないので、途中から考え方を変えたんだそうです。
目的(自分のやりたい政策)のために、媚を売ったり謝罪することもできるようになったんだって。

「政治家は政策のことより政党内での駆け引きばっかりでけしからん!」
という批判を耳にしますし、私も同じく思うところがありました。
ただ政治家の理論でいうと、「目的を達成するための近道が駆け引きだからそれをせざるを得ない」というのも実際あるのよね。
愚直なやり方で物事はうまく回らないのはどこも一緒。会社も「社内政治」ってことばがあるくらいだから結局同じですし。

そして、それは一概に悪いこととは言えません。
駆け引きがうまく、人を巻き込めるということは、それだけその人に魅力があるってことです。
自分一人でできない何かをしたいなら、他人の感情を揺さぶるスキルはどうしたって必要になるんですよね。
(別に政治家を擁護するつもりはないし、好きじゃないけど。)

この人の
「目的を実現するために、必要あらばプライドも捨て相手の懐に飛び込んで、ゴールを目指す」
という考え方は、目的への意思の強さが前提にあります。

でも、人が、こんなに強い目的や思いで動いてるかっていうとそうじゃない。
「やりたいことや理想はあるけど、こんなめんどくさいアホに時間を費やさないといけないならもうやんなくていいや」
とか
「そんな時間をかけて頑張るくらいなら辞めちゃおうかな」
と思う人の方が圧倒的に多い。
だからアホは気付かずのさばり続けるし(笑)、良識ある人のほうが、挫けて疲れて離れていってしまう。

意思の強さ、プライドなどいろんな要素を秤にかけて、それでも意思の強さが勝ったとき、はじめて「アホと向き合う」という時間とパワーを確保できるのだと思う。

ちょうど保育園絡みで苛立つことが多かったので、よい学びと気付きがありました。

色々な本を読むと、理想的なコミュニケーションのとり方にはちゃんとした正解はあって、すでに確立されてるんだよな、ということがわかります。
なにを読んでも理想的な考え方ってのは共通項がある。
ただそこで実際に行動に移すかどうかは結局目的にたいする意思の強さの度合いによる。
私はアホの懐に真っ正面から向かっていくほど物事に情熱をもてるほうではない、、、たぶん。

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