きっとまた会える
ちょっと調子が悪そうだなぁっていうのは、少し前から気づいてた。
だけどあなたのことだから、きっと大丈夫。
数日すれば元気になる。きっと何も変わらないって思ってたの。
まさかこんな事になるなんて思ってもみなかった。
夏に調子が悪くなるのはいつものことだった。
秋になっても元気が出ないから、おかしいなって思ってた。
でも、今年は夏の延長のような秋だったし、もう少し涼しくなれば、きっといつものあなたに戻るって信じてた。
(意訳:モンキーツリーは夏と冬に落葉する)
少し涼しくなった頃、あたしの心配は杞憂だったと安心したわ。あなたは夏の出来事が嘘のように、元気な顔をのぞかせた。
だからあたし、ほら、やっぱりいつものあなたよねって。
(意訳:今年は秋の萌芽が遅く、冬に差し掛かるころに新芽を確認していた)
あなたの元気な顔を見られて、あたし嬉しかった。
もっともっと元気になってもらいたくて、たくさん乾杯したね。
あなたはいつも静かだけど、何も言わずメネデールを飲んでるうちは、大丈夫だと思ってた。
(意訳:新芽促進として、週1〜週2の頻度でメネデールを与えた)
でも、周りのみんなより繊細なあなたのこと、もっとちゃんと、見ておけばよかった。
あなたはいつも飄々としながら、少しずつ狂っていたんだね。
(意訳:モンキーツリーは加湿を嫌う。夏に弱った根にダメージを与えてしまった)
4年も一緒いたのに。気づかなくてごめんなさい。
出会ったころのあなたはまだ小さくて、その柔らかな髪であたしのふくらはぎをくすぐった。
どんどん大きくなるあなたを見て、いつか私の背を追い越すんじゃない?なんて言って笑った。あなたの頭がヤマタノオロチみたに分かれていったときは、ほんとにびっくりしたわ。
環境の変化にすこぶる弱いあなただから、近頃はずっと部屋の中で、平穏な日々を過ごしていたのに。
(意訳:半日外に出すだけでも落葉するため、一昨年より完全屋内栽培に切り替えた)
愚かなあたし。どうして気づいてあげられなかったのだろう。
でもあたし、あなたを失いたくない。
君の成長点をたべたい!
維管束の中心で愛を叫ぶ!
君が発根してくれるなら、ボクは悪にでもなる!
今、助けるからね…!
あなたがどんな姿だって、あたしは側にいて欲しい。
どうか生き延びて、もう一度あたしをくすぐって。
(意訳:根腐れ箇所以外を胴切り。左から絶望的・望みあり・エース。上部切り口はトップジンを塗布。)
ー以下要約ー
大事に育てていたモンキーツリーが根腐れを起こした。
園芸素人だが、根本は完全に腐っており、切るしか救済の方法がなさそうだったため、思い切って切断。
10日程切り口を乾燥させたのち、土に植え付けの予定。