IF 第6節 「それはまるで火にいる虫の様で」
9月某日。
グリーンテクノロジー建設株式会社 会議室。
「今から大蜂山におけるゴルフ場建設計画の
最終打ち合わせを行う。」
「え?!その計画は打ち止めになったはずじゃ?!」
「すまんな。
円滑に話を進めるために
お前には外れてもらっていた。」
「待ってください、課長!!
大蜂山には沢山の動物が住んでいて
生態系の破壊が問題になると言ったはずです!」
「企業の儲けのためには仕方のないことなのだよ。
君も社会人なのだからわかるだろう?
それとも君は、
コレ以外にウチが儲かる方法でも
知っているのかね?」
「ふざけるな!!この無能野郎!!」
そう言って会議室を飛び出した私は、
嫁と2ヶ月の息子を連れて山へ向かった。
大切な動物たちが燃やされてしまうことのないように。
そして、
動物たちが人間に復讐することなどないように。
自分が心から愛した2つの命と、
人間が愛すことを忘れてしまった多くの生命。
これらだけは絶対に守らなければならないのだ。
自分を犠牲にしてでも…
「誰が無能野郎だと……?
絶対に許さない。
あいつの家族を追え!!!!」
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