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経済学者紹介:シルヴィオ・ゲゼル【誰も知らない経済学者だけどむしろ後で有名人物になるかもしれないしならないかもしれない】

前回ピケティ分が足りなかった件について、
ひとつ説明不足の点がありました。
「貧乏人が増えると消費が減る」というとこですね。

逆に言うと「お金持ちはお金使わない」

これは金持ちがケチだからではなく、
もちろん中には前澤社長みたいにガンガン車買っている人もいます。
ただ、あれって前澤社長からするとお小遣い枠なんだと思います。
気合い入れて買っているのではないですね。
まあ今月はガチャで2万使うか、くらい。

というか本当の億万長者には使いきれないほどのお金があります。
「そんなことはない。俺は10億を1か月で使い切ってやる」
と豪語される方も多いかと思いますが、
この人たちにとって10億というのは月収くらいなので、
年収で言うと数千億くらいが入ってきます。
さらに言うと投資利益に対する課税は世界的に少ない。

なので使い切れないんですよね。
私設軍隊でも作って勝手に戦争はじめればともかく。
で、使いきれないお金は、当然に再投資に向けるしかない。

しかしこのようにお金の99%が富裕層に集まると、
再投資の無限ループへ大量のお金が投入され永遠に回り続けていることになります。
さて、投資先はあるのでしょうか?
極限まで貧富の格差が開いた社会を想像してください。
ほとんどの貧乏人はもうプレステもガチャ課金もしない世界です。
投資先は無いですね。
せいぜい外国?
あるいは政府機関発注?
どうもあまり健全な経済とは言い難いものがありますね。

無間に再投資に回されるお金というのは、
実質的に社会から消滅してしまった通貨、
デッドマネーと呼んでもいいでしょう。
(もちろん証券市場の潤滑剤として機能しているという意味では生きた金ですけど)
社会的には無意味です。
理論上、そういうのが有り得ればですけど。

さて。ここで今回のマイナー経済学者。
シルヴィオ・ゲゼルを紹介させてください。

シルヴィオ・ゲゼルは20世紀初頭のオーストリア人です。
時代は第1次大戦が終わってオーストリアが帝国から小さな共和国になったくらいの頃です。
ゲゼルはまず「減価する通貨」というのを考えました。
自動的なインフレを内在論理に組み込んだ通貨ですね。
当時ですからスタンプのようなものを使います。
(21世紀なら簡単に電子化できると思います)

ざっくりいうとポイントです。
ポイントというのは、一定期間貯め込んでしまうと効力を喪失しますから、
それ以前にさっさと使わなくてはいけません。

なので退蔵されないんですよね。
お金は正しく社会を循環し続け、経済を活性化させます。

実際に「地域通貨」という試みがあり、その時は地域経済が活性化していたそうです。
しかし私が聞いたところでは、
「国から見ると国定通貨に取って代わるような動きは好ましくなく」
結果的には潰された云々ということが書かれていました。
実際に「地域通貨」の動きは廃止されてしまってます。
うまくいっていたのに。

まあどこまで本当かどうかはわかりません。
自分の眼で見たわけではないです。

しかし消費が活性化しないと企業の利益にならず、
企業の利益にならないと証券市場もパッとしないままなので、
結果的には消費財市場を回転する「生きたお金」にならないとみんなが困るわけですよね。

というところで、今回はこの辺で終わっておきたいと思います。

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