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読書日記・もったいないことをしたもんだ

2月13日(木)

鳥羽和久さんの『親子の手帖』を読んでいる。

先日から『その「一言」が子どもの脳をダメにする』を読んでいて、子どもたちへの声かけを変えていこうと思っていたんだけど、『親子の手帖』を読んでちょっと立ち止まることにした。

子育てについて書かれた本の多くが、方法論的、ハウツー的なものに偏っていることに違和感を覚えてきました。しかし、子育てというのは、どうしてもハウツー的に示せるものではありません。一人ひとりの子どもの声に耳を澄ませ、心を寄せるということは、どうしてもそういったものに還元できないのです。子どもはもちろん、私たち自身も毎日刻々と変化しています。だから、何かひとつの基準や形式に頼ろうとすると、どうしても無理が出てきてしまうのです。

『親子の手帖』より引用

『その「一言」が子どもの脳をダメにする』のように分かりやすい声かけの例があると、じゃあこうすればいいのね、という安心感を得ることはできる。でも本当にその声かけさえすれば、親子の関係がうまくいくのか、子どもが困りごとを抱えることなく成長していくのか、というとそうでもない。

人間には一人ひとりの個性もあるし、置かれている状況も違うので、やり方や方法を教えてもらえば理想通りに進んでいけるってもんでもないという、根本的なところを指摘された気がして、私は立ち止まってしまった。

ハウツー的思考とやり方では、なかなかうまくいかないということ。そうやって楽をしようとすると、子どもはすぐに見透かしてしまうのです。親が、子どもを自分が思うように動かしたいと思っているとき、子どもは親の「動かしたい」という意思そのものに反発しているわけで、だからこそ、言い方を表面的に変えたぐらいではなかなかうまくいかないんです。

『親子の手帖』より引用

子どもを自分の思い通りに動かそうとする、親のエゴが浮き彫りになっている・・。

結局、自分の足場を顧みることなしに、相手に何かを一方的に伝えようとするのは、それが親子関係でも、友人関係でも、うまくいかないどころか、確執や対立の原因にさえなってしまいます。

『親子の手帖』より引用

自分のことは自分で見えないけれど、人のことは見え過ぎるぐらいに見えてしまうので、相手の欠点とか目についてしまうとどうしても頭から離れない、なんてことが家族にはたくさんある。

でもそれはお互い様というか、自分だって欠点だらけの人間なんだし、相手だけを変えようとせず、自分自身の悪さも認めながら、どうすればお互いが心地よく生きていくのか、そこを考えていくほうがきっと誰のためにも良さそうだ、というところまでは理解したつもり。理解したからといって実行できるかというと、それは話が別なんだけどさ。





2月14日(金)

バレンタインデー。今年はなぜか、ゴディバのチョコレートを希望していた息子。お高いことが気になりながらも、息子の願いは叶えてやりたい。ということで、息子に人生初のゴディバを渡す。息子はチョコレートの味がいつもと違うとか何とか言っていたけれど、本当に味の違いなんか分かるんかいなという疑いのまなざしを向けてしまった。

息子に、ホワイトデーのお返しは3倍が相場だからねと伝えると、バレンタインのチョコをチロルチョコにしてもらっておけばよかったー!!と叫んでいた。時すでに遅し。




2月15日(土)

私は、以前にも鳥羽和久さんの『親子の手帖』を読んだ感想をnoteに書いていたらしい。2年前の自分だけど、言ってることはたいして変わっていない。人はそんなに変化しない生き物かもしれない。あるいは私の成長が止まっているのかもしれない。



佐野洋子さんの『ヨーコさんの“言葉” それが何ぼのことだ』を読む。本の中で「ブスは税金を安くしてもらいたい」という話があった。美人は何かと得をしているのだから、ブスにはブスなりの優遇があってもいいのではないかというもの。

ブスの度合いによって税金をゼロにしてもらうのはどうだろうかと案が出る。しかしそのブスの度合いを決めるのは誰なんだとなり、役所の人が「あなたはブス度が高いから税金はなしですね」とか勝手に判断したら、それはそれでやっぱり腹が立つだろうという流れに思わず賛同してしまった。

判断する人の好みの問題で税金が安くなったり高くなったりしたら、それはそれで不公平な気がしてしまう。しかし、そもそも人間は平等じゃないし、平等なんて気持ちが悪い、退屈だと佐野さんが言うもんだから、そうなのか、と思うしかなかった。

差別があるから生きるエネルギーも与えられたのかもしれない、という佐野さんの言葉が心に染みる。ブスだとののしられ、傷ついたこともあった。けれど同時に「バカにすんじゃないよ!!」という気持ちを抱いたことも確かにあった。あれもまた生きるエネルギーになったかもしれないのに、悪口を言った相手を呪うことに使い果たしてしまった気がする。もったいないことをしたもんだ、と今なら思う。別のことに使えばよかった。今度から別のことに使おうっと。



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