【読書日記】2021年9月19日
亀の歩みだったり、ジェット機だったり、スピードはアップダウンを繰り返しながらだったものの、ようやく『カササギ殺人事件』の上巻を読み終えた。犯人は一体誰なのか、再読なのに全く覚えていないため、ハラハラしながら読み進めていた。
そしていよいよ下巻に突入して、いきなり別の話が始まったので驚いた。そうだった、『カササギ殺人事件』ってこういう流れだったんだ、と3年ぶりに気づく。
下巻には下巻の意味があるので、これはこれで大事なのだろうけれども、上巻の勢いで読むことは出来なくて。本音を言えば、上下巻にするのではなく、上巻のまま解決をして欲しかったなぁ、と思う。
アンソニー・ホロヴィッツ氏の作品は、そこそこに読んでいて、どれも面白いと思っている。けれども、再読するにはちょっと辛いなと勝手に思っていて、この『カササギ殺人事件』を読んで、その理由を思い出した。
発売されたばかりの『ヨルガオ殺人事件』は、読もうと決めているけれど、再読できるものだろうか?といった不安があって、まだ購入していない。再読しなくたって良いじゃないかとも思うのだけど、私の中で「再読できる=辛い話ではなかった」といった安全を確認する目安にしているので、個人的には重要。
ホロヴィッツ氏の作品で『絹の家』があるのだけど、あの作品が実は小さなトラウマになっているので、ホロヴィッツ氏の作品を読むことに少しばかりの抵抗が生まれている。
昔は「イヤミス」と呼ばれる作品もじゃんじゃん読んでいて、むしろそういう作品を好んでいた時期もあったのだけど、いつの間にかそういったものが辛く感じるようになって、最近は内容紹介だけでギブアップすることが増えた。
年齢とともに図太くなっているはずなのに、心のほうが年々弱さを増している感じ。以前の自分と同じような感覚で過ごすと、時にグサッと突き刺さるものがあるので注意が必要。そんな状況でも、好奇心が勝つことのほうが多いので、私はきっと懲りずにまた、グサッと突き刺さるものを読むんだろうな。それも一つの楽しみ方か。