緊急事態宣言下のバンコクに生きる
「最後の夜に、カンパ~イ!」
3月中旬、ロックダウンの前夜は、とんでもなく呑気な夜だった。予約の取れないお店の特上カルビfeat白米.が本当に、本当においしかった。
行ったことのなかった高級焼肉屋さん。好きなモノ、なんでも頼んでいいぞという兄さんの言葉に甘え、"特上"がつくものを片っ端から頼み、おっきなジョッキのハイボールをぐびぐび飲み、コンビニでアイスを買って次のお店へ。二次会のレストランのご厚意でお店の中でおいしくいただいた。おいしかったなあ、チョコアイス。もう眠いから二次会いかなくってよくないっすか?とか言ってたけど、アイスがおいしかったからまあよかった。
そしてロックダウンの日々が始まった。
1か月以上が過ぎ、5/4現在ようやく飲食店が昨日開いたところで、まだバーは開いていない。ただ、この飲食店オープンの光はとっても明るく感じている、し、街にクルマや人が戻ってきているのを見かけると、ちょっと嬉しい。(引き続き、ステイホームする、ソーシャルディスタンスすることはもちろん大事だけど!)
そんな中、忘れないうちに週別に緊急事態宣言下の暮らしを、忘れないうちにメモしておきたい。
とにかくビビりなので、買い出し以外で、基本家から一歩も出ていません。徹底的なステイ・ホームの中でどう奮闘してきたかの記録です。
3/23 最後のWork From Office-快適で不快
朝出社すると、今週からWFHベースになることが告げられる。ビックリしつつも、PCスクリーンを片手にえっさほいさ午後一で帰宅。ベッドルームにあるデスクにスクリーンをちょこんと乗せる。この瞬間からHome Officeが始まった。Pinterestを見ていつも憧れてたデコレーションも施してみる。かわいくて癒しの空間が爆誕。
Zoom会議中心の日々。トップスはおしゃれに、顔はすっぴん(時折Snap Cameraでメイクフィルター)、下はスパッツという、上半身はビジネス、下半身はカジュアルなビジネスカジュアルファッションを開発するに至った。
この週から、Work From Officeを初めて気づいたことがある。
自宅勤務は、超・快適で、超・孤独。
タイのオフィスは、とてつもなく寒い。これについては一度記事にしたいと思っているのだが、全館空調で温度設定ができない。そのビルディング全体の管理センターにしか調整ができない。なので常に20度。と、書いているけどもっと寒く感じる。がっつり冬のジャケットを持ち込んでる人もいる。私はジャケットの下にウルトラライトダウンを着たり、水筒に白湯をいれて持ち歩いたり、さらにはホッカイロを貼って仕事をしているくらい。その寒さがない。自分で好きな温度に調整して働ける。これは快適この上ない。
だけど、超・孤独。人がいてワイワイしているオフィス、周りの人の会話や、どんなおやつをたべてるのか盗み見とか。そういうのが全くなくなってしまうのは悲しくて、さみしい。さりげない休憩時間のおしゃべりとか、私大好きだったんだなあっておもう。特に一人暮らしだと、特に。
あと隙間時間でこっそりお昼寝できるのも、すき。
と、呑気なことも書いたけれど、このころは先行きの見えない未来に一番ココロが押しつぶされていたころ。ぼんやりとした不安に、香港に住む親友や母に電話してはガス抜きしてもらっていた。そんなファーストウィークだった。
3/30 帰国か、残留か。**
家から出ないために、がっつり買い出しに。
といっても何が足りなくなるのか、何をストックしたほうがいいのかわからない。とりあえず冷凍用の豚肉(鶏肉は、個人的に冷凍するとおいしくない)、各種野菜2つずつ、スパゲッティ、米、オートミールを購入。そして、水。6本×1L×2セット。水道水が飲めない国で、一日2Lは水を飲みたい自分としては正直これでも心もとない・・・。そして、Zero Cokeのセットも。リフレッシュに必要だから。でも結局いらなかったものも買ってしまった気がする。謎のKidney Beansとか・・・。このときであったChabaaというフレッシュジュースにドハマり!このジュース(とどうぶつの森)を楽しみに朝起きれるようになりました。
帰宅すると警備員さんに「オー・・スーコン・ユーナー!(めっちゃ買ったな)」と言われる事態に。(私もうタイ語でなにいってるかちょっとわかっちゃうんだぞ)。でも、普通に2週間分自炊を想定してストックすると、これくらいになるのよ・・・。
ひたすら帰宅してカットして冷凍してジップロックにイン。これでしばらく困らないだろう。
「孤独」対策として、少なくとも1日プライベートで1人とLineなりZoomでおしゃべりタイムを設けることにした。これは助かる。
前の週からあった「帰国 OR タイ残留」の2択が社内で大きな議論に。周囲も、そして私も基本は残留を選択。ちょっぴり、いや結構悩んだけど。帰らない意思が強かったが、帰ったほうがいいのだろうか、と悩むのが多かった。親が安心するだろうなとか、彼氏に会いたいな、とか。
確かにWFHなら日本にいたって海外にいたって変わらないかもしれない。でも日本に帰ったら、いつ戻ってこれるかわからない。20代の大半をこの海外駐在の実現のために費やしてきた自分としては、何が何でも通常営業に戻り次第、またこの異国での仕事と暮らしをめいいっぱい頑張りたい。異国で、この状況下で、たった一人で生きていくことに不安はなかったかというと全くウソになるが、そんなことよりもやっと掴んだこのチャンス、離してはなるものかという気持ちが強かった。親元で安心したい気持ちもあるけど、実家に帰ることもそもそもリスクなこともあり。もちろん落ち着いたらすぐ顔みにいきたいし、ママのチャーハン食べながら、リビングで寝転がってブランケットにくるまり、ジャニーズのDVD見ながら昼寝したい。
4/6 はじめてのZoom会食・Zoomの可能性を開く
クライアントとはじめてZoom会食をした。会社の先輩の見事なZoom芸がすごかった。パワーポイントでさまざまな思い出を振り返ったり、Zoomでできる飲み会ゲームを繰り広げて、大盛り上がり。ほんとうに優秀な人は、どんな状況でも打破するクリエイティビティを持っているのだと感動した。クリエイティビティってすごい。
Zoom会食って、ちなみにみんな自宅でリラックスしてるからぐっと仲良くなりやすいかも?って思ったり。宅飲みのような、ファミリー感の醸成にはいいかも。ただし、盛り上げのためには進行・コンテンツが超・超・重要!
日本も自粛ムードが広がっているようだ。こんなことをいうのはあれなんだけど、インスタのストーリーに流れてくる、家族と暮らしていたり、恋人や旦那さんと二人暮らししているひとの温かい日々の様子が流れてくるのがさみしい時に見ると超・超・超・ツラかった。いや大変なこともあるんだと思うよ、インスタなんていいところしか切り取ってないからさあ!でも、もう、理性とは別として体の底から沸々と燃え上がる羨望よ。これは自分で選んだ道で、今自分の人生の優先順位を踏まえると、一番幸せな選択を今自分はしているんだって、きちんと理解している。だけどもだけど、うらやましいものは、うらやましい。整理はついているけど心が追い付かない。タイ語で理解する、は「เข้าใจ(カオチャイ)」というのだけど、直訳した意味は「心に入る」らしい。それでいえば、私はUnderstandはしているが、カオチャイはしきれていないようだ。ということで、根本的対策としてインスタをあまりみないようにした。あと高級焼肉店の弁当も時々ランチにして活力をつけた。
仕事でこの状況下についてのレポートをまとめているときに、「家族や近しい人間の絆がグッと深まる」なんて書くことがあったんだけど、打ちながら心が苦しかった。親の顔が見たいし、彼氏にも会いたい。そういう意味では絆は帰国していない私だって深まっているはずだ。なんて言い聞かせる。
そんななかどうぶつの森を初めてドハマりする。孤独とは無縁の、日々開拓に隣人たちと勤しむ世界。とにかく心が癒された。駐在前に買っておくか!ってSwitch買っておいた自分に感謝・・・!
ママのチャーハンのレシピを思い出して作ったら、結構再現性高くできてうれしい。
このころ、夜間の外出禁止令、始まる。家の窓の外を見ると、いつもキラキラしていた夜22時の街は、オレンジの電柱と、あとそれ以外は真っ暗だった。最初のうちは、窓の外の景色の人気のなさと暗さにぞっとしてちょっと怖がっていたけど、しばらくすると慣れてくる。人間は不思議。精神はこうして鍛えられていくのだなあ。2か月前と今だと、もはやRIZAP Before Afterばりに精神が強靭になった気がする。
4/13 Zoom飲み疲れ。ただ見えてきたことがある。**
Zoomで飲むって新鮮!新しい!イエーイ!オンラインセミナーも受けれて楽しい!というハイなハネムーン時期を終えて、すこしグッタリ。4/6週は「孤独対策」として様々な人とオンラインで飲みしたけど、ちょっぴりお疲れ気味に。結局同じ人と週2~3でちょこまか電話するように。
どんな飲み会でも大体楽しい!って思っていた私も、Zoom飲みだとうっわあコレめちゃめちゃ楽しい!と、うわあー顔みて話せてよかった!な人に二分される。
Zoom飲みでめっちゃ楽しい人は、本当に無言でも楽しめるくらいにお互いのことをよく知っている人(当たり前か)。それは直近会ってるか会ってないかは全く関係ない。私にとっては、中学の親友ズだったり。高校の親友ズだったり。大学時代の親友や、研修の先輩だったり、オタ仲間だったり。会社のめちゃ一緒に遊んできた先輩たちだったり。会社の先輩とは6時間飲んでた。オンライン飲みって限られた人としかしてこなくて、帰国するときに飲むことが多かったんだけど、この時流でいろんな人と会って話すことができてよかった。こうやって、Zoom飲みも飲み会のあり方の一つとして定着してくるとうれしいな。(苦手なひととのZoom飲みはつまらないし、帰れないしでとにかく苦しかったけど・・)
ネットスーパーがめちゃ便利なことに、いまさら気づく。もう買い出しはやめることにした。
お部屋の掃除に入ってくれてるメイドさんと出くわした際に、あることに気づく。それはマスクをしていないこと、そして素足のまま公共部の廊下と部屋を行き来していること(後者はタイの清掃員さんは結構されてる)。フロントにおだやかで柔らかく感謝の意とともに、明確に、でもおだやかに(重要)改善を要望。翌日には改善されていてよかった。
友達に勧められた、Freeletics(パーソナルトレーニングアプリ)をやる。筋肉痛にはならないがいい感じに疲れるのでよく寝れる。
とあるひとから「顔を見せることは最大の親孝行だなあ」ってラインが来る。それは私に言った言葉でないことはわかっていながらも、頭では整理がついていながらも、無性に悔しくてやるせなくて半泣きしながら筋トレした。精神、強くなったはずなのに。精神が強くなれないならとにかく肉体的に鍛えるしかないと思った。いつもよりキュッと腹筋に効いた気がする。
4/20 初めてのソンクラン。酒は禁止、仕事は山盛り**
楽しみにしていたソンクラン。タイの名物水かけ祭り。仏陀の誕生日を祝う、タイの新年である。タイは仏歴がメインに使われています。今年は2564年。
酒の販売禁止が、前の週末から始まる。発表されたときは施行前日の、昼下がり。販売開始は17時。かくいう私は用意が良いので、こんなこともあろうかと、すでにウィスキー1瓶、ワイン2本、そしてスパークリング2本(?)をストック済み。でもビールと、ほろよいちょっとほしいな・・・なんて思い、ひっそりとスーパーは人が殺到しそうなので近所のコンビニへ。ひさびさの外出にクラクラする。案の定コンビニはがらすきだったので、ビールとほろよい、2、3本ずつ買って帰宅。(このあと、規制がさらに延期になることを知らずに・・・)
これは、この前の週の後半からの傾向なのだが、オンライン飲み会をパヤパヤ18時(日本時間20時)からセッティングできた季節を終え、急に忙しくなった。仕事が滝のように降ってくる。深夜コースの日々。そんななか、Swi早朝に起き、どうぶつの森のわたしの島で釣りをし、たぬき商店に売りに行き、カブの値段を見ながらもうけを計算する。もはやタイに駐在していながら島にも駐在しているような、日・泰・どうぶつのDual Lifeならぬ、Triple Lifeに。
どうぶつの森のいいところは、いまタイでも大流行しているところ。タイ人の同僚たち(近しい人も、知らない人も)とみんなでワイワイ通信プレイするのが楽しい。#ACNH (洋題:Animal Crossing New Horizon)のタグで世界の人々がどう楽しんでいるかや、インテリアやマップのInspo(参考にできるアイデア集)など見るとめちゃたのしい。日本人だけで楽しんでるの、もったいなかったな。世界中に広がるってもっとたのしい。
どうぶつの森やりたい・・っておもいながらオラオラ仕事して、朝食・昼食・夕食休憩、そして深夜1時に30分だけプレイする。不思議と充実した気分になる。
Bollywood Xという、インド映画の曲でフィットネスできるサービスを知る。めっちゃ楽しい。有酸素にいいかも。
4/27 感染者数激減。街が動き出す**
酒の禁止が延期、仕事の量も山盛り。
引っ越しのため家探しを始めたが、いくつかの物件ではおそらく「日本人」であることから契約を断られてしまっている状況。
久しぶりに買い出しに出かけると、街は少しずつ賑わいを取り戻していた。道も渋滞なんて起きたりして、「渋滞って生命のシンボル・・」なんてちょっと感動してしまった。
5月頭からいくつかの業種がリオープンしそう、という明るい話題もでてきている。髪の毛切りたいし、カラーしたいし、まだオープンしないけどアナスタシアに眉毛、まつエクもしたい。あとジム!!!!
買い出しついでに夕方、大気汚染指数が90以下だったら1時間散歩することをはじめて見た。相変わらず路面は凸凹だけど、マスクのおかげで異臭はしなくて良い。
どうぶつの森の通信プレイが楽しすぎる。プレイ累計時間をみたらぞっとした。でもそれは自分のステイ・ホームの努力の証なんだと言い聞かせる。世界的ムーブメントにも乗れてるし、マーケターとしては正しいステイ・ホームの在り方なんだ!と言い聞かせているこの頃です。
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