グローバルなチームで効果的な連携を維持するポイント
こんにちは!RAKSULのデザイナー西川です。
みなさんは、普段の業務で海外のメンバーとコミュニケーションをとる機会はありますか?
今日は海外のメンバーとの効果的な連携のために、普段どのようなことを意識しているか書いていきます。
はじめに:チームについて
最初に少しだけ、私の働いている環境についてご説明出来ればと思います。
RAKSULの開発拠点は日本とベトナムにあり、エンジニア組織における外国籍のメンバーの割合は、1/3程です。そのためチームによっては、ベトナムと日本が1つの開発チームとして仕事を進めています。
海外のメンバーは、日本とは異なるタイムゾーンや文化的背景を持っています。
ではそのような環境で、普段どのようなことを意識しながら、仕事を進めているのか?
明確なコミュニケーションと効果的な協力を維持するために、実際にベトナムチームと約2年ほど一緒に働いてきて、大事だと思ったことについて書きます。
1. Low Contextの会話を意識する
日本には、「行間を読む」という風習があります。しかし異文化理解の観点からすると、この風習が世界のどこでも通用するわけではありません。日本はHigh Contextの会話が主ですが、海外ではLow Contextの会話が主になります。特に、ニューヨークやロンドン、シンガポール、パリなど…多くの民族が集まる都市では、それぞれの持つバックグラウンドも異なり、共有度合いが低くなるため、Low Contextのコミュニケーションが重視されます。
海外のメンバーと一緒に働く際は、異文化コミュニケーションの第一歩として、まず Low Contextの会話を意識することが重要です。
さらに時差があるため、チームメンバーが常に自分と同じ時間軸で働いているとは限りません。
相手が議論に居ない時にデザインの変更が生じた際には、具体的に「何が」「なぜ」「どのように変わったのか」を、なるべく端的かつ明確に伝えることを意識していました。
以下の3つが、デザインの意図を伝える際にポイントとして意識したことです。
具体的な変更内容を明確に説明する
必要に応じて、変更の背景や経緯を伝える
実装に関する依頼をする際は、期限と必要なリンクを明確にする
2. デザインを共有する際はプロトタイプも一緒に添付する
チームもデザインを共有する際には、デザインファイルと併せて必ずプロトタイプのリンクも一緒に添付します。
プロダクト・サービスがどのように動くのか、を事細かく言葉で伝えるよりも、実際に動くものを見るほうが実装のイメージは理解が容易く、誤認識を与えてしまうことも少ないからです。
3. まずは相手の意見を理解し、受け入れる
海外のエンジニアと一緒に働いて感じたことは、チーム内のコミュニケーションがとてもアクティブということです。デザインに関するコメントも、UX観点の内容を多くもらいます。
UXに関する基本的な考え方・概念は世界共通でも、1つ1つのUIから生じるコミュニケーションの取り方や感じ方は異なる場合があると思います。
会話の中でもし不明な点があれば、もらったコメントへの感謝を伝えたうえで、「もう少しポイントを明確にしたいのですが、〇〇については〇〇という認識でしょうか?その場合は、△△です。」というように、自分の仮説をもとに確認することを意識しています。
異なる文化的背景があるからこそチームとしてより良いプロダクトを作るために、相手の意見を10理解しようとするよう努めることが何より大事だと思っています。
4. 常にお互いがsyncしている状態を目指す
お互いに物理的な距離があっても、常にチームとして一緒に動いている意識を忘れないようにしています。
離れていてもチームとして一緒に動く意識を持ち続けることで、メンバーに不足する情報が無いか振り返ることができ、デザインの現状や背景を補足することで情報のsyncが出来ます。
必要な情報がないと、実装を進めるうえで疑問が出てくると思います。チームの開発スピードを落とさないために、デザイン段階では各ステークホルダーとスピーディに連携することが欠かせません。早めに疑問を調整できるように、情報の偏りがないコミュニケーションを取るよう意識します。
5. 自分からデザインに関する議論がないかキャッチアップしにいく
文化的背景などから成る価値観を擦り合わせていくためにはチームとして働くうえで、必要なことです。
たとえ自分が直接メンションされていなくても、デザインに関する議論を目にしたら、積極的に自分からコメントするようにしています。
自分から歩み寄っていく姿勢を、私は情報のキャッチアップという形で体現したいと思っています。
結論
まとめると、以下が海外チームとのスムーズな連携を実現する鍵になると考えます。
異なるバックグラウンドを持つからこそ、Low Contextの会話を意識すること
認識齟齬を防ぐため、プロトタイプとともにデザインを共有すること
文化的な違いを認めた上で、相手の意見を理解すること
非同期型コミュニケーションにおいて、情報の偏りを極力生じさせないこと
常に一緒に働いている意識を持ち、自ら積極的にキャッチアップすること
これらを意識することで、チームでの共同作業を成功させ、開発を効率的に進められます。
また私の所感となりますが、一緒に働く海外のメンバーは、とてもheartwarmingでsupportiveなメンバーが多いように感じています。そのような仲間と一緒にチームとして働けることが楽しく嬉しいですし、常に相手へのリスペクトを感じるメンバーからこそ、自分も相手へ最大限のリスペクトを返せるようにしています。
これからもチームで協力し、ユーザーにより多くの価値をもたらすプロダクト作りに精進していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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