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雨、公園にて

毎日散歩に出ていると、同じ人に会いませんか?
通勤・通学でもいい、同じ時間に同じ人。
気まずかったり、ほっとしたり、気になる人がいたり、ムカつく人もいたり…
今回はそんな「公園」のお話。

ある日、健康のため痩せたいために朝マックに行こう?と決めた私は、早起きをすることにした。

私は元々、大手企業に務めていたが、相次ぐパワハラ、残業の繰り返しで心が折れ、今では家に引きこもる生活を送っている…。

「どうせなら空いてる時間がいいよね。朝マックは5時からか〜、家からマックまで歩いて30分、準備に30分として、起きるのは4時か〜」

早起きをするために、夜8時には布団に入ったが、
日頃夜中まで起きてたからなかなか眠れない!
「寝よ〜、寝よ〜」と言う心の声がうるさい!

いっそ寝ないでいようかと考える夜中の2時。

目覚まし時計がうるさく鳴り響く。
いつの間にか眠ってたんだ…
起きるにも身体が固まって、なかなか起きれない。

「クソー、腰が痛てー!」
ベッドの上でのたうちまわる。

マックまで歩いて30分、往復で1時間!
うん、健康的!痩せれるね!

帰りの散歩道の途中に小さな公園がある。
「知らなかった…これが散歩の醍醐味ね!」

おもむろに公園の中に入る。

その公園は本当に小さく、小さなブランコ、小さなすべり台、小さな砂場があり、なぜかベンチはたくさんある不思議な公園だ。

公園には犬の散歩に連れてきている夫婦や体操をする人、こんな時間から出勤なのかスーツを着ているサラリーマンの姿がある。
「お仕事、ご苦労さまです。」
誰にもきこえないように、小さな声で言った。

ベンチに座りながら朝日を一心に浴びる。
「う〜ん、気持ちいい!」

遠くにあるベンチにひとり、おじいちゃんが座っていた。
そのおじいちゃんは、お世辞にも清潔とは言えない風貌で沢山の紙袋・カバンを持っている。

「ホームレスか…」

マジマジと見ていると目が合ってしまった
そそくさと私は家路へといそいだ。

ーーーーーそして、数日ーーーーー

今日は大雨だ、散歩に行くか考えてしまった。
雨が降っているから今日はやめよう。とかの言い訳をしてしまうと、そこからやらなくなってしまう。
大体そんなパターンですよねと言っている話をテレビでみたな〜、やっぱり行こうか…

いつもの朝マックで、ソーセージマフィン、ハッシュドポテト、コーヒーブラック、単品でフィレオフィッシュを食べ、お腹いっぱいになったところで、帰りの散歩。
「雨、全然やまないな…」
雨はさっきよりも本降りになっていて、下からも雨が降っている、そんな感じだった。

いつもの公園…さすがに誰もいない、当たり前か…今日は辞めとこうと通り過ぎようとした時に、あのホームレスのおじいちゃんが傘もなくベンチに座っていた。

思わず近寄り、傘をかざす。
「風邪をひきますよ。」
おじいちゃんは静かに答えた。
「雨は天からのさずけもの、無駄にしてはいかん。」

おじいちゃんはおもむろに服を脱ぎ雨でグショグショになった紙袋から、1本のボトルを取り出した。

それをおもむろに頭に振りかける。

…シャンプーだったのね…

心配して損した。

そんな散歩の1日でした。

ー完ー

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