発達障害とアンコンシャスバイアス
私たちが日常生活の中で行う判断や行動には、意識しないうちに形成される「無意識の偏見」、すなわち「アンコンシャス・バイアス」が影響を与えることがあります。
これは、特に理解が進んでいない事柄や状況に対して顕著に現れ、誤解や偏見を生む原因となります。
そこで、本稿ではアンコンシャス・バイアスについて考察し、その具体例として神経発達症(発達障害)に対する偏見がどのように形成されるか、そしてそれをどう克服すべきかについて一緒に考えます。
アンコンシャス・バイアスを理解することで、無意識のうちに持っている偏見に気づき、より多様で包括的な社会を目指す一助となれば幸いです。
アンコンシャスバイアスとは?
「神経発達症(発達障害)」と聞いて、それがどのような人たちなのか、どう関わるのが良いのかイメージがつく人は少ないのではないでしょうか。
また、認知が広がっている一方で極端な誤解を招くような情報も少なくありません。
その結果、「無意識の偏見」が生まれやすくなっています。
一方で、同じ精神科領域の中にある「うつ病」はどうでしょうか。
それがどういうのものなのか詳しいことは分からなくても、神経発達症(発達障害)よりはイメージがつきやすい人が多いかもしれません。
例えば、気分やメンタルが落ち込んでいるとか、叱咤激励は意味が薄いよなとか、まずは休んでもらうことが大事だよねとか。
自分がよく分からない物事については、これといった明確な理由がなくても拒否や偏見の対象になりやすいと言われています。
神経発達症へのアンコンシャス・バイアスを少なくしていくためには、「知ってもらうこと」が大切だと考えます。
神経発達症が(発達症害)は神経学的に一般の人と何が違うの?
一言で言うなら、「認知の違い」です。
もっとわかりやすい表現だと、「物事の見え方、捉え方、感じ方が違う」ということです。
そのため、多くの人が楽しいと思うこと、モチベーション、やりがいを持つことに、実はそうは思えないということがあります。
もちろん、その逆もあって、神経発達症(発達障害)の人たちが関心やモチベーションを向けられることに、定型発達の人がそうは思えないこともあるわけです。
大枠ではそうした違いがあり、その上で個々にまた違うわけです。
あたりまえなことではあるんですけどね。
だから、神経発達症(発達障害)のことを知るためには、イメージで決めつけるのではなく、目の前の当事者を見て、誠実にやり取りをしてほしいと思っています。
ただ、事前にどんな違いがあるのかを予備知識として知っておくことも一方で大切です。
その上で、予備知識やイメージに縛られることなく、違いを知った上でやり取りをすることが大切です。
例えば、英語が母国語の人とやり取りをする時にはどうしますか?
苦手だとしても、英語を使ってなんとかコミュニケーションを図ろうとしますよね。
それは、「日本語は伝わりにくい。英語の方が伝わりやすい」と相手のことを知っているから、その上で工夫をするわけです。
発達神経症(発達障害)もそれと同じです。
お互いに歩み寄ることが大切です。
発達神経症(発達障害)を怖い存在と思わずに、まずはどんな違いがあるのかを知ろうとする、その上でやり取りをするということが大切だと考えています。
mojoでは、発達神経症(発達障害)に関するアンコンシャスバイアスについての研修も実施しています。
より過ごしやすい社会にするために、活動していますので、ぜひ研修などお声がけください!
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