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文字起こしを学ぶには

文字起こしは、実務に就く前に学んでおくことが必須です。ただし、いくつか例外もあります。まず、「必須でない」場合についてご説明します。その方が「必須」の理由が理解しやすくなるためです。


◆学習が必須ではない場合とは

  1. 自分のために文字起こしする

  2. 特定の身近な人のために文字起こしする

この2つの場合は、文字起こしの学習が必須ではありません。

まず1の『自分のために文字起こしする』は、ライターが取材に行き、その取材内容を自分で文字起こしする場合などです。自分さえ内容が分かればOKですから、ことさらに「仕様」「表記」「整文の加減」などと言い立てる必要がありません。

2の『特定の身近な人のために文字起こしする』とは、家族や友人がライターや小説家で、その人から取材音声の文字起こしを頼まれるケースを指します。一見レアケースに思えますが、東京ならではの事情なのか、時折耳にします。この場合も、相手の希望に合わせて起こせば問題ありません。

また、「研究室の大学院生が教授の聞き取り調査の音声を起こす」場合も同様です。「会社員が業務の一環として社内の会議を文字起こしする」場合も、その会社のルールや整え方に従えば良いでしょう。

◆学習が必須の場合とは

文字起こしの学習が必須の場合とは、以下になります。

  1. 文字起こしの会社の登録スタッフになって仕事をしたい場合

  2. クラウドソーシング系のサイトで仕事を受注したい場合

  3. さまざまな企業や役所などから直請けしたい場合

1:文字起こし会社の登録スタッフになって仕事をしたい場合

文字起こしの会社には、大勢の在宅スタッフが登録しています。1案件が音声何十時間分もあるような大型案件は、みんなで分担して起こします。
ところが。
!や?をたくさん使う人、
平仮名を多用する人、
言い間違いまで口調どおりに再現したい人、
強い整文を好む人 など、
文字化の志向はもともと十人十色です。

人によって全然違うトーンの原稿を作ってしまうと、1案件の記録としてのまとまりがありません。原稿に個性を出さずに、お互いに同じような起こし原稿を作れることは、メンバーの一人という立場で文字起こしをする場合に大切なのです。

会社によって少しずつ仕様が異なりますから、スタッフ登録してからその会社の好みや方針を学ぶことになりますが。
事前にある程度学んでおけば、その学習内容と比較して「ここは同じ」「ここは違う」と、登録先の仕様を理解しやすくなります。

2&3:クラウドソーシング系のサイトで仕事を受注したい場合

「クラウドソーシングの利用」や「直請け」では、発注者が文字起こしについてよく理解していないことが多いものです(一般企業や役所の場合、これは当然のことですね)。そのため、「ここはどのように処理すればよろしいですか?」と質問しても、「普通はどうするものですか?」と逆に聞かれることがあります。このような場合に備えて、よく使われる仕様を知っておくことは大変役立ちます。

◆文字起こしをやってみよう!

文字起こしは、ただ音声を文字にするだけではなく、相手の意図や目的に応じて仕上げる重要な仕事です。しっかりと学ぶことで、依頼者の信頼を得るだけでなく、プロとして活躍する道が広がりますので、ぜひ挑戦してみてください!


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