10月📙画集を読む。２冊

こんにちは。もじもじです。

毎月テーマを決めて、本を紹介しています。
今月は２冊ですが、私のお気に入りの本を紹介させていただきます。

📖９月のテーマは「画集を読む」

画集とは、さまざまな絵を集めて一冊にまとめた本のこと。絵だけでなく、題名や解説文、作者の紹介などが載っており、読みごたえも十分。
絵を眺めながら読むことで、その作品の新たな魅力に気づいたり、作者の人生や歴史に触れることができたりと、さまざまな楽しみ方ができます。
肌寒くなってくる10月。温かいお茶を片手に、おうちでじっくり画集を読んでみることにしました。

気合い満タンだったのですが、体調を崩してしまい２冊しか読むことができませんでした。しかし、どちらも素敵な画集でしたので紹介させてください。

それでは、どうぞ！

①出口かずみ画集 小八💭溢れてやまない猫愛に共感！小八の表情にグッとくる。

絵本作家・出口かずみの初画集。
著者と一緒に暮らす猫「小八」が人間界で生きていく様を想像し、描いた作品集です。
掲載点数は、全29点。布上製(クロス装/ハードカバー)、64ページ。
（googleBooksより）

ーーーーーーーーーー
出口かずみ画集小八
出口かずみ
2023
果林社
ーーーーーーーーーー

浅草のブックマーケットで一目惚れして購入した画集。作品の全ては、作者の出口かずみさんが飼われている猫、小八の姿を描いた絵です。白い猫だけれど、おでこにグレーのハの字がある猫。その奇跡的な模様、かわいすぎます。最後の３枚の絵には別の猫が登場するのですが、その理由は猫愛中和作戦なのだとか。
本書中の読み物はあとがきの１ページのみですが、その短い文章の中から作者の猫愛がどれほどなのかを受け取ることができました。猫を飼ってしまった人なら、共感できるのではないでしょうか。本全体の少しミステリアスな雰囲気も魅力的です。

個人的に好きなのは、「悪いことしか言わない」というタイトルの絵。占い師に扮した小八がカリカリで占いをしている様子。「カリカリ占い」というアイディアのセンスにも脱帽。小八の表情の絶妙さに思わず笑ってしまいました。確かに・・・悪いことしか言わなそうです。（もじもじ・け）

②空想旅行案内人ジャン＝ミッシェル・フォロン💭はじまる、こころと思考の旅。

本書は、20世紀後半のベルギーを代表するアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロン（Jean-Michel Folon, 1934-2005）の日本では30年ぶりとなる展覧会の図録です。
初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品までを網羅し、フォロンの描く鳥やリトル・ハット・マンといったシンボルとともに紹介します。インクや墨による軽妙な線はユーモアとぬくもりが漂い、溶け合うような色彩のグラデーションは美しい。フォロンの丁寧な観察や思考が垣間見える数々の作品は、私たちの感覚をやさしく解き放ち、時空を超えた空想の旅へと連れ出してくれます。
（blue sheep shopより）

ーーーーーーーーーー
空想旅行案内人　
ジャン＝ミッシェル・フォロン
柴原聡子 編集
2024年7月22日
ブルーシープ
ーーーーーーーーーー

以前、本の中でフォロンのポスターを見かけ、その色使いや不思議な雰囲気に惹きつけられました。この夏に東京ステーションギャラリーで大規模な展示会があると知りましたが、予定が合わず残念に思っていました。それを知った母が、東京に出かけたお土産として図録を買ってきてくれたのです！展覧会の図録を手にするのはこれが初めてで、とても嬉しい瞬間でした。

図録を開くと、１ページ目にフォロンが実際に使っていた名刺があり、それは「AGENCE DE VOYAGES IMAGINAIRES」という肩書きと電話番号が記されただけのシンプルなものでした。
序文には、さまざまな人による解説やフォロンの人生が綴られ、特に「彼は目に見えるものではなく、考えたものを描いた」という言葉が心に残りました。
フォロンの絵を見ていると、目に見える世界や感じている世界、頭の中のイメージが一体何なのか、何が本当なのかといった問いが湧いてきます。
彼は「私が自由であるように、あなたも自由に解釈するように」と語っており、無題の作品が多いのもそのためかもしれません。絵を通じて問いかけられ、鑑賞者は自分自身と対話をするように促されるような、不思議な感覚が残ります。
「まず、ものがあなたを見ているのです」という言葉も印象的でした。確かに、そうかもしれない。物からの視線を感じる時って、ありますよね。解説文をじっくり読むことで、作者の想いや制作背景を垣間見ることができ、想像がふくらみます。
図録を読み終えたとき、フォロンが“空想旅行案内人”として自分を表現していたことが理解できました。この図録はまるで哲学書のような雰囲気で、読み終えるまでに長い時間がかかりました。作品も解説も充実していて、本当に素晴らしい本でした。これからは、美術館を訪れるときには図録にも注目してみたいです。
（もじもじ・け）

おわりに☕️

最後までお読みいただきありがとうございました。
お楽しみいただけましたでしょうか。

今まで画集とは眺めるもので、細かい字で書かれた文章はすっ飛ばしてしまっていました。しかし、意識的に文章を読んでみると、そこには作品をより理解したり深く楽しむための情報が詰まっていました。
これからは、画集を読むことも楽しんでみたいと思います。

🥳11月、あなたの本棚をご紹介していただけませんか？📚

さて、11月のテーマは「わたしの本棚発表会」です！
「本棚を見ればその人がわかる」と言われる通り、本棚にはその人の興味や考えが詰まっていますよね。
自分の本棚を改めて眺めてみると、本の背表紙の言葉がまるで私の構成部品のように見えてきます。

本好きな方ならきっと共感してもらえると思いますが、他人の本棚って、覗いてみたいものですよね。

そこで今月は、皆さんの「わたしの本棚」の写真を募集いたします！
思い入れのある本やエピソードも教えていただけると嬉しいです。
あなたの本棚に眠る“物語”をぜひシェアしてください📚
DMにてお待ちしています。

も寒暖差がきびしいこの季節、お身体には十分お気をつけくださいね。
今年も残りわずか、一緒に元気に年末まで駆け抜けましょう☺️🍊

今月ももじもじブックスを、どうぞよろしくお願いいたします。