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PLAUBEL MAKINA 670は最高

昨年、2月にPLAUBEL MAKINA 670をお迎えして、中判フィルムカメラを楽しんでいます。10ヶ月以上使用してみて、その感想をまとめたいと思います。


愛でるカメラ

PLAUBEL MAKINA 670は、無駄のないシンプルかつフラットなデザインで、洗練されたモダンな佇まいの機械式カメラです。前期モデルのMakina 67も素晴らしいのですが、レイモンド・ローウィのストリームラインを彷彿とさせるMakina 670のデザインは、私にとってとても魅力的です。折りたたみ式の蛇腹(ベローズ)を採用したレンジファインダーカメラで、蛇腹を伸ばすことで機械式カメラならではの機構を体験できます。このクラシカルなメカニズムとモダンな外観の融合が、Makina 670の独自性と魅力となって魅了してくれます。

MAKINA 670は、現代の電子化されたカメラとは異なり、機械そのものの精巧さを存分に味わえます。2回巻き上げるレバーの手応えや、シャッターを切ったときに響く「カッシャーン」という音は、すべてがメカニカルな機構で成り立っており、操作するたびに「機械を操る喜び」を感じさせてくれます。クラシックカメラの名品として、「手元に置いておきたい」「愛でたい」と思わせるカメラです。

この異端の中判フィルムカメラを、夜な夜なお酒を飲みながら愛でる時間が、何よりの至福のひとときとなっています。

撮影するカメラ

Makina 67シリーズは、レンズ一体型の蛇腹カメラで、中判カメラとしては非常にスリムでコンパクトです。日常のスナップやストリートスナップに使いたいと思っているため、このコンパクトさは理想的です。特に自分のフィールドであるEdgewood AVEでは、LEICA MP 0.72と2台体制でストリートスナップを楽しんでおり、F2.8という明るいNIKKORレンズも大変重宝しています。暗い店内での床屋スナップにも積極的に使える点が魅力です。

フォトウォーク中には、フィルム巻き上げやフォーカスの滑らかさ、そしてシャッターボタンを押す際のレスポンスが素晴らしく、カメラと一体になっているかのような操作感を味わえます。ファインダーを覗いて構えた瞬間から集中し、心地よい手応えでシャッターを切るたびに、カメラとの一体感が高まるのを感じます。撮影の喜びを存分に体験できる、素晴らしいカメラです。

このカメラはレンジファインダー式で、フォーカスはシャッターボタンおよび巻き上げレバーと同軸のダイヤルで調整します。珍しいレイアウトですが、すぐに慣れるので問題ありません。実際、LEICA MP 0.72と併用しても混乱することはありませんでした。内蔵露出計も比較的正確ですが、ブローニーフィルムであることもあり、無駄な撮影を避けるため単体露出計を使うように心がけています。

描写するカメラ

このカメラは、カメラ量販店の「カメラのドイ」の創業者の土居氏の理想のカメラを作るべく、ドイツのカメラメーカーPlaubelを買収し、ドイツで製作した試作機(Makinette 67)をベースにして、コニカに設計・生産を依頼をしました。しかし、レンズはコニカではなくニコンに拘って搭載しました。

搭載されている80mm F2.8のNIKKORレンズは、卓越した描写力を誇り、このカメラの評判を高める主な要因となっています。中判ならではの豊かな階調と立体感を再現しつつ、シャープかつクリアな映像を生み出します。このレンズの表現力に惚れ込み、多くの写真家に選ばれています。単なるデザインがカッコ良いカメラではなく、素晴らしい性能を持ったカメラなのです。

カメラ:Plaubel Makina 670
レンズ:NIKKOR 80mm F2.8
フィルム:KODAK EKTACHROME E100
現像:The Darkroom
スキャン:CANON EOS 5D Mark IV / EF 100mm f/2.8L Macro IS USM / Intrepid Compact Enlarger
出力:Adobe Photoshop

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