カブ旅1-1
スーパーカブで旅に出る。
急がず、焦らず、どこまでものんびりと。
旅にスピードはいらない、いろんなことを見過ごしてしまうから。
いろんなものを見て、いろんなことを感じて、どこまでものんびりと前へ進む。
ゆっくりと、ゆっくりと、大切に、取りこぼさないように。
人生の全ては貴重で、愛おしい。
○
京都へ向かっている。
目的地は、笠置キャンプ場。割とメジャーな格安キャンプ場だ。高規格なキャンプ場とは程遠く、簡単な洗い場と簡易トイレがある。後は広い河川敷があるだけ。
トコトコと山沿いの道を走る。スーパーカブで走るのはこういった山道、村道、生活道路の方が気持ちいい。ゆったりと景色を楽しみながら走るぐらいでちょうどいい。
3速と4速を雑に切り替えながらコーナーを抜けていく。田植えの時期はもう過ぎて稲は青々と揺れている。
昨日までの雨空とは打って変わって、気持ちのいい晴天に恵まれ、どこまでも気持ちがいい。