日清食品から『謎ウナギ』発売
◉日清食品が、大豆タンパクなどから作った、鰻の蒲焼きに似た食品『プラントベースうなぎ 謎うなぎ』を発売し、完売したそうです。動物由来ではないので、菜食主義の方にも朗報でしょうし、絶滅が危惧される日本うなぎの、一助になれば。もすぐ土用の丑の日、馬鹿みたいにウナギを食うのではなく、こういう代表品でいいと思いますよ。自分は、食うなら高い専門店で、それなりのお値段を払って食う派ですが、これはこれで在りですね。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、鰻の蒲焼きの写真です。個人的には、鰻重より鰻丼が好きですね。豪快に掻き込みたいので。
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■ウナギが美味しい季節は?■
土用丑の日には〝う〟が着くものを食べればいいというのは、昔からの言い伝えだったのですが。だったら、別にウドンでも梅干しでもいいんですよね。夏場なら、旬の瓜でもいいわけです。お菓子が好きなら、ういろうとか。でも、これにウナギを結びつけたのが、かの平賀源内とされます。ただこれは、明確な一次資料がないので、どこまで本当かはわかりませんが。通説によれば、夏場は脂っこいウナギは売上が落ちるので、相談された平賀源内が、土用丑の日にウナギという、それまでは候補になかったウナギを押したために、広がったと。真偽不明ですが、元祖コピーライターの平賀源内、有り得る話です。
実際のウナギの旬の季節は、脂が乗った秋から冬にかけて、なんですよね。夏場は、必ずしも美味しくはないんですよね。なので、自分は専門店で食べるなら、晩秋ぐらいが狙い目です。そういえば、釣りが趣味であった祖父は、ウナギ取りの仕掛けをたくさん持っていて、よく取っていましたね。あれは、秋口だった記憶が。竹筒をくり抜いて、うなぎの寝床を作り、そこにミミズを餌に仕込んで、一度入ったら出られなくなる仕掛けでしたが。秋口は脂も乗っていて、美味しいです。土用丑の日にどうしても鰻が食いたい人は、この謎ウナギで良いのではないでしょうか?
鹿児島県では、養殖ウナギが盛んで、そのためにシラスウナギの密漁が、地元の暴力団の大きなシノギになっています。ウチの田舎だと、毎年密漁した人間が警察に捕まっていますし。ちょっと車を走らせると、ウナギの養殖池が、あったりしました。今はだいぶ減っていますけどね。なにしろ、鹿児島県は変わった名字の宝庫ですが、鰻さんという名字もあります。かの池田湖のイッシーも、
■ウナギ絶滅回避に向けて■
ウナギといえば、環境省のレッドリストで絶滅危惧IB類へカテゴリーの絶滅危惧種ですから。養殖ウナギと言っても、天然のウナギの幼生であるシラスウナギを河口付近で捕まえ、それを養殖池で大きくしているだけですから。いわゆる、卵から成体まで育て、それから卵を取ってまた育てるという、完全養殖はまだまだ商業ベースに乗っていません。研究自体は進んでいますし、自分は期待しています。完全養殖にさえ成功すれば、ウナギ自体は多産の魚類なんですよね。マンボウほどではないですが、1匹のメスが100万個から500万個の卵を産みますので。
2017年のデータですが、日本のウナギの消費量は年間約3億匹で、そのうち国産は約1億匹とのこと。1匹のメスから100万個の卵を採集できれば、100匹も入れば国産ウナギの数ぐらいが確保できるわけですから。それこそ、1000匹も確保できれば、10億個。そのうち3割がシラスウナギになれば、全部国産で補えるのですから。マジに、ウナギの完全養殖は日本の未来を帰ると思っています。嫌だって、アメリカ人でもフランス人でもインド人でも、鰻の蒲焼きを食うと、かなりの高確率で美味しいと大喜びなんですよね。今は国内消費が優先ですが、資源量が確保できれば、世界に打って出られるでしょう。
確かに、寿司も天ぷらも美味しいです。鉄板焼きもアメリカで大人気ですし、個人的にはお好み焼きも、アメリカに進出すれば、絶対に成功すると思うんです。関西風も広島風も、両方とも。でも、高級食材としてのウナギは、また別格のキラーコンテンツになるでしょう。ウナギは、職人の技術が必要ですが、それだけにアメリカにちゃんと進出できれれば、魅了すること確実。醤油や味醂も併せて、日本から輸出できますし。そういう意味でも、近畿大学にはぜひとも、ウナギの完全養殖の研究を完成させて、日本の未来を明るくしてほしいですね。
■代用食で充分なレベル■
代用食というと、悪いイメージを持つ人がいますが。例えば、人造イクラ。昔、漁師さんにブラインドテストしたら、人造イクラだと気づかなかったこともありましたね。それぐらい、レベルが高いと思いますし。回転寿司屋に入って本物のカニの握りを頼んだら、身は細いわ脂は乗っていないわで、お値段の割に美味しくなかったのですが。逆に究極のカニカマが乗った握りは、身もタップリだし食感は良いしで、お値段以上に美味しかったです。もう、カニカマは下手なカニより、よほど美味しいです。
すでに、鰻の蒲焼き風の食品は幾つかありますが。この謎ウナギも、かなりのレベルなんじゃないでしょうかね。究極のカニカマも、けっこうカニの成分とか入ってるんですよね。人間の味覚は、実は嗅覚に頼っている部分が大きいそうですから。鰻のタレって、鰻の骨や頭などを出しにしないと、あの風味は出ないんですよね。老舗の場合は、タレに白焼きを突っ込むことで、身の旨味エキスが出て、あの美味しいタレになるので。本マノンの鰻は、タレように使うことで一匹で多くのタレができますから。それで大量の代用鰻が出荷されれば、絶滅の危機も多少は緩和できるでしょうし。
もともと、おでんの人気の具であるガンモドキも、雁の肉に似せた精進料理だったわけで。現在の視点では、とても雁の肉には感じませんが、あれはあれで、美味しい料理に昇華されましたしね。ウナギの研究の結果、新たな食材が開発されるなら、それでも意味はありますし。期待しましょう。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ