韓国Webtoonの問題点
◉楽韓Webさんが、興味深い翻訳をされています。韓国国内メディアの、Webtoonに対する評価という点で、日本の報道とはまた違った姿が見えてきます。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、Webtoonで検索したら出てきたイラストです。
◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉
◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉
■韓国の悪癖炸裂?■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。マネートゥデイの韓国語版ということで、経済的な面からの評価は、手厳しいです。どうしても、商売優先になるのですから、売れ線のものを、過去のヒット作と似たものを、求められがちです。日本の無料漫画サイトを見えも、ああこれは『薬屋のひとりごと』のヒットを受けての、同工異曲なんだろうなぁという作品が、日本でも山のようにありますから。一極集中しがちな文化の勧告では、なおさらでしょうね。そういう意味では、編集者に「〇〇みたいな作品をお願いします」と言われている姿が、目に浮かびます。
韓国の文化として、これが受けるとなったらそこに集中してしまい、結果的にジャンルを食い荒らして、ジャンル自体を衰退させる。日本で言えば、サントリーがはちみつレモンを発売してヒットさせ、でもはちみつとレモンという平凡な組み合わせゆえ、商標が認められず。同業他社が似たような製品を大量投入し、けっきょく今でははちみつレモン、500ミリのペットボトルを、関西で見かけるぐらいになってしまいました。あれと同じことが、頻繁に起きるのが韓国。つくづく、カルピスのような固有のブランドを持つって、大事ですね。日本も、笑っていられません。
■同工異曲ばかり?■
さて、楽韓WebさんのWebtoonへの指摘。かなり手厳しいですが、作品に関してはかなりの見巧者で、おすすめの作品を購入して、当たりのことが多く、信頼おける読み手ですから。この評価は掛け値なしに、信用できます。逆に言えば、見巧者は得てして読む速度が常人より数倍は早いので、縦スクロールのWebtoonはまどろっこしい部分があるでしょうね。現時点では、速読に適した表現になっていないんですよね。長時間サイトにとどまらせるために、小賢しいこともしていますし。ただ、いくつかの作品は、実験的な表現や、縦スクロールならではの表現に、挑戦しているのですが……。
思うに、日本は手塚治虫という天才が現れたのが、大きいのでしょうね。藤子不二雄先生らも指摘されていますが、手塚先生と『新寶島』の衝撃が、本来ならば映画監督になっていたであろう才能を、一気に漫画界に引き寄せてしまったと。石ノ森先生や藤子不二雄先生らが、最初から映画やアニメの世界を目指していたら……黒澤明や小津安二郎の後継者には、苦労しなかったでしょうし。少なくとも、三隅研次監督のような職人監督タイプが分厚い層を支えたでしょうね。韓国には、手塚治虫が現れたか? 残念ながら、そこまでの才能は現れておらず。もし出現したら、ポン・ジュノ監督級の才能を、映画界は失うことになるでしょうね。
■可能性はあるが…■
あと、韓国のWebtoonは、いくつかの作品で生成AIを活用して、作業量を減らしているだろうなと、そう思える作品があります。ある意味で、アニメ的なWebtoonは、作画崩壊的なことも起きうるということでしょう。アクション系は特に、ポーズが難しいですから。また、きちんと描かれた絵でも、服の刺繍とかはすごく細かく描きこまれていても、表情が話の流れと合っていない作品も、チラホラ見かけますね。ここらへんが、今後の課題になるかもしれません。分業制ゆえ、キャラクターデザイナーの絵を、生成AIに学習させるのは、悪くないのですが……。総合プロデューサーとして、誰が権限を持っているのか、不明ですね。
さいとう・たかを先生とか、分業制を取り入れたのですが。お弟子さんに聞くと、やはり総合プロデューサーは、さいとう先生なんですよね。脚本もコマ割りも、さいとう先生の美学で微調整されているので、大きな瑕疵がなく、バランスが取れる。それ自体は、僅かなことなんですが。全体を見通して、その微調整をするのが、実はかなり難しいのですね。最初から分業制でWebtoonを作るなら、そういう総監督や総合プロデューサー的な、これまた虫プロを率いた手塚治虫先生的な才能が、必要かと。でも、総合プロデューサー的な才能は、作家以上に得難いのでは?
以前も書きましたが、Webtoonも女性誌系では、かなり良い人材が育っています。独自表現も見えるし、ニッチなジャンルで育てていく気が、韓国Webtoon界に、どこまであるか? 小説原作には、骨太な作品も多く、ここをもっと推し進めて、才能を増やし、層を厚くする、そこでしょうね。
◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉
◉…▲▼▲インフォメーション▲▼▲…◉
noteの内容が気に入った方は、サポートでの投げ銭をお願いします。
あるいは、下記リンクの拙著&共著などをお買い上げくださいませ。
そのお気持ちが、note執筆の励みになります。
MANZEMI文章表現講座① ニュアンスを伝える・感じる・創る
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ