見出し画像

報道の自由度ランキングの偽善

◉もう、毎年恒例のになっていますが。国際NGOの国境なき記者団が、世界各国の報道の自由度ランキングを発表し、それを日本の左派系マスコミが大騒ぎするという、いつものパターン。でもこのランキング、記者が拘束されたり殺害されたりするような国よりも、日本の順位が低かったりと、毎回その公正さに疑問が投げかけられる、低レベルのものでしかありません。近年はそのカラクリも、バレています。

【報道の自由度ランキング発表 日本は順位下げ、G7最下位の70位】朝日新聞

 国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は3日、2024年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象の180カ国・地域のうち日本は70位(前年68位)となり、主要7カ国(G7)の中で依然、最下位だった。

 同NGOは日本の状況について、「伝統の重みや経済的利益、政治的圧力、男女の不平等が、反権力としてのジャーナリストの役割を頻繁に妨げている」と批判。2012年の第2次安倍政権の発足以降にジャーナリストに対する不信感が広がったとする一方、記者クラブ制度がメディアの自己検閲や外国人ジャーナリストらの差別につながっているとした。

https://www.asahi.com/articles/ASS533PSPS53UHBI016M.html?ref=tw_asahi

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、朝日新聞東京本社の写真です。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉



■記者クラブ制度問題■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。この件を報じた、朝日新聞のX(旧Twitter)の公式アカウントのポストなんですが。このnoteを執筆時点で493万閲覧を超えて500万閲覧を楽勝で超えそうな勢いも、イイネが5000にも届かず4482イイネ、イイネ率も0.09%台の炎上状態です。クオリティペーパーと呼ばれた朝日新聞も、落ちぶれたものです。もっとも、朝日新聞がクオリティペーパーであったことなど、戦前・戦後を通じて、ないのですけれどね。常に大衆迎合の商業主義、風見鶏新聞。

報道の自由度ランキング発表 日本は順位下げ、G7最下位の70位 https://asahi.com/articles/ASS533PSPS53UHBI016M.html?ref=tw_asahi

国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は3日、2024年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象の180カ国・地域のうち日本は70位(前年68位)となり、主要7カ国(G7)の中で、最下位だった。

https://x.com/asahi/status/1786372650287485434

日本の報道の自由度ランキングが昔から低い理由は、記者クラブ制度によって外国人記者やフリーランスの記者が排除され、大手マスコミが情報を独占しているからです。日本のマスコミは取材力が低いので、捜査権を持つ 警察の調査による情報に、大きく依存しています。政府はマスコミに便宜を与えることによって、情報のコントロールなどに利用するという、持ちつつ持たれつの関係でもあります。Wikipedia先生の記述がコンパクトでしたので、以下に引用しておきます。

記者クラブ(きしゃクラブ)は、公的機関や業界団体などの各組織の継続取材を目的とするために大手メディアが中心となって構成されている任意組織(記者クラブ一覧)。英語では「Kisha club」ないしは「kisha kurabu」と表記される。大手メディア以外の記者・ジャーナリストも加盟できる「プレスクラブ」(日本では、社団法人である日本記者クラブや、日本外国特派員協会などが該当)とは全く性格を異にし、日本、ガボン、ムガベ政権下のジンバブエ独特のシステムと言われ、フリーランスなどに対し排他的であるとして近年、批判を受けている。

記者クラブ 制度の問題と横暴さは、横山秀夫の推理小説の傑作『64(ロクヨン)』でも、間接的に描かれていましたね。NHKのドラマ版、ピエール瀧氏が主演で、素晴らしい出来でした。あの事件の後、見ることはできなくなっていますが。映画版でもある程度、記者クラブの横暴さは描かれています。多少の誇張はあるでしょうけれど、地方紙の新聞記者として12年の勤務経験がある横山氏の、新聞社の描写は『クライマーズ・ハイ』などでも、リアリティがあります。

■クロスオーナーシップ問題■

「エビデンス? ねーよんなもん」と居直り、論拠軽視でお気持ち重視の日本の新聞は、一時ソースへのリンク 示さないことが度々あるのですが。SNSで自分がフォローしている個人アカウントが、データや資料を収集し、なんならサイトにまとめて誰でもアクセスできるようにしていたりと、丁寧な仕事をしていることが多いですね。『事実を整える』アカウントや『ガベージニュース』アカウント、この『データをいろいろ見てみる』アカウントなど。エコーニュースも、大手マスコミより、よほど取材力と分析力があります。

新聞は相変わらず一次ソースへのリンクを貼らない。
こちらがその元になった報告のようだ

報道の自由ランキング(日本詳細)
https://rsf.org/en/country/japan

Economic contextの中にクロスオーナーシップ規制の話があるが当然朝日新聞は言及しない。

> 日本では新聞と放送グループのクロスオーナーシップに対する規制がないため、極端なメディア集中が進み、時には2,000人以上の記者を抱える、

https://x.com/shioshio38/status/1786625388808179940

クロスオーナーシップ規制(放送と新聞社が資本関係を持たせない)が日本では実施されていない。
よく欧米を見習えというマスコミはクロスオーナーシップ規制を見習えとは言わない。

https://x.com/shioshio38/status/1786626056549736737

日本の報道のランキングが低い理由のもうひつは、このクロスオーナーシップ規制をしていないことです。そもそも日本の新聞は、アメリカに 比較して数が圧倒的に少なく、そのくせえ 1社あたりの部数が多いという特徴があります。3億人の人口のアメリカは2020年の段階で、50州に6736紙もあります。ところが、日本新聞協会会員の新聞社は101社しかありません。国土面積が20倍以上違うため、アメリカでは小規模な地域子が多いという事情を割り引いても、異常な数字です。

でも、これには理由があります。昭和11年(1936年)ごろは、日本だって全国に約1200社も、新聞社が存在しました。ところが政府と内務省の指導で、一県一紙の方向で統合されていきます。理由は 色々つけられていますが、統制経済による紙の配分と、政府によるマスコミ コントロールの、両面があったでしょう。この結果、昭和17年にはわずか54紙にまで、整理・統合されます。御上がライバル紙を潰してくれたのですから、そりゃあ儲けも大きくなり、御用新聞になるのは必然かと。

諸外国では、報道の自由と多様性を守るために、大手新聞社が放送局を持つ などの、クロスオーナーシップ制度を制限している国がほとんどです。ところが日本は大手新聞社がテレビ局も持ち、ラジオ局も大株主だったり、自社で出版部門を持ち、雑誌や書籍も販売しています。マスコミが批判すべきは自分自身であり、まるで政府による言論統制が行われているかのような印象操作は、卑劣な論点逸らしに見えます。

■実は瀬川牧子問題?■

国境なき記者団の、報道の自由度ランキングは、日本在住の記者によるアンケートをもとに、順位づけがなされています。では、アンケート回答者選びは、いったい誰がしているのか? 国境なき記者団日本特派員にしてJFJN代表の瀬川牧子氏が、深く関わっているとされます。彼女が選んだ20人の記者が、回答しているようですが……その20名は非公表。瀬川牧子氏は元産経記者なのですが、上杉隆氏が社長の株式会社NO BORDERの所属でもあった人物。反原発派でさらに、週刊金曜日とも関係が深く、左重心。

2012年から急降下して、そのままになっていることが分かります
これ、自民党の政権奪還と2012年に瀬川牧子氏が国境なき記者団の特派員就任したのと被ってるんですね
偶然ですかね?これ
なお、2006年も急降下してますけど、これは第一次安倍政権

https://twitter.com/disordermonste7/status/1786701812990636417?t=yjQ13k1h6OjrLe91yRjioQ&s=19

つまり、たった一人の人間が、恣意的に選んだ20人によって、日本の報道の自由度が異常に低いかのような印象操作を行えてしまえている、ということです。匿名ですから、その記者たちが存在しているかも不明ですし、もし存在したとしても アンケートの質問内容によって、望む方向にいくらでも結論を誘導できます。そうではないというのならば、国境なき記者団は回答した記者の氏名 と質問内容と回答内容を公表すべきです。

WBPC問題のように、黒塗り白塗りの、書類を出すような〝報道の自由度〟を疑われるような対応をしそうですが。日本学術会議が、2022年度予算で2533億円もの科研費を差配する権力を保持しているように。この国は、マスコミやアカデミズムの場で、選挙で選ばれたわけでもない人間が、大きな権力を有して世論を誘導したり、国益を損ねるような行動をしている場面が、しばしば見られます。令和の時代、このような昭和の残滓を精算するべき時期なのでしょう。

そのためにこそ、報道の自由は重要なはずです。


◉…▲▼▲インフォメーション▲▼▲…◉

noteの内容が気に入った方は、サポートで投げ銭をお願いします。あるいは、下記リンクの拙著などをお買い上げくださいませ。そのお気持ちが、note執筆の励みになります。

MANZEMI電子書籍版: 表現技術解説書

MANZEMI名作映画解題講座『ローマの休日』編

MANZEMI文章表現講座① ニュアンスを伝える・感じる・創る

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

いいなと思ったら応援しよう!

喜多野土竜
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ