
養殖関連:ノドグロ・サーモン・スジアオノリ・タマカイ
◉養殖関連の話題が溜まったので、まとめて。故郷の鹿児島は養殖が盛んですし、やはり日本は南北に長い島国で、海産の魚介類の種類は豊富ですからね。今回は、
・高級魚ノドグロの孵化と稚魚育成に成功
・九州電力がサーモンの陸上養殖事業を拡大
・四万十川のスジアオノリが復活へ
・ハタ科の高級魚タマカイの陸上養殖施設整備
といった話題です。多くが、陸上養殖関連の話題でもあり、時代を感じますね。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ノドグロの写真です。
◉…▲▼▲▽△▽▲▽△▽▲▼▲…◉
■高級魚ノドグロの孵化と稚魚育成■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。まずは、参院や北陸の高級魚として知られるノドグロ。正式名称はアカムツで、ノドグロは通称です。スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科に属する暖海性魚類で、キンギョウオの別名もあるように、赤みがかったオレンジ色の体で、目が大きいですね。昔はさほど有名ではなかったのですが、近年は高級魚として一気に知名度が上がり、それに合わせてノドグロの通称が浸透してきましたね。ネーミングって、やっぱり大事ですね。
【高級魚ノドグロのふ化、稚魚育成に成功 県水産研究所】富山新聞
●栽培漁業の事業化へ安定供給
富山県水産研究所(滑川市)は10日、高級魚アカムツ(ノドグロ)の親魚から得た受精卵をふ化させ、稚魚まで育てることに成功したと発表した。県が取り組む栽培漁業の事業化に向けて、安定的な稚魚確保につなげる。
同研究所では、2020年から富山湾で漁獲した親魚を水槽内で飼育してきた。産卵に適した水温や明るさ、餌などを検証し、今年8月に約58万個の受精卵を得て、3分の2に当たる約39万個がふ化した。その中から約5千匹を全長5センチまで育てており、来年1月以降に1千~2千匹を富山湾に放流する予定。将来は親魚を増やして、稚魚3万~5万匹の放流を目指す。
58万個の受精卵から、39万個が孵化し、約5000匹を育てて、1000~2000匹を放流と。育つのが100分の1で、放流まで至るのが0.17~0.34%ですか。これは、事業を拡大すれば、もっと率は上がるのでしょう。高級魚としてブランドが確立されていますから、やはり利益率の高い魚は漁師にとってもありがたい存在でしょう。地理的に近い京都でも、ノドグロとして料亭に出ていて、食べた人の話だと脂が乗っていて美味しいと。
■九電のサーモンの陸上養殖拡大■
そして、陸上養殖に関しては、何度か取り上げている、九州電力のサーモンの陸上養殖の話題。九州電力やRKB毎日放送といった、九州では大きな企業が陸上養殖にさんんゆうというのは、後継者不足に悩む一次産業を考えれば、明るい話題ですし。九州自体は、全土の人口でも東京都より少ないんですよね。それだけ、土地は余っているので。旧来の養殖も発展してほしいのですが、割と赤潮とか台風とか、外部の要因に振り回されがち。ならば、陸上養殖で利益率の高い魚を育て、安定生産は日本の未来のためには必要。生産量10倍アップは、強気ですが。それだけ需要があるのでしょう。
【九州電力、陸上養殖サーモンの生産10倍に 数十億円投資】日経新聞
九州電力はサーモンの陸上養殖事業を拡大する。2027年までに数十億円を投じ、生産能力を現在の10倍に増やす。輸入品に比べれば割高なものの、スーパーや回転ずしチェーンが安定調達を重視するようになっており商機があると判断した。まずは地の利のある九州を中心に販売を伸ばし、アジア向けの本格輸出にも挑戦したい考えだ。
九電が水産商社のニチモウなど3社と組んで21年に設立したフィッシュファームみらい合同会社...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
回転寿司屋でも、サーモンは人気で。江戸前ということでは、違うのでしょうけれども。脂が乗っていて、オレンジ色の身は目にも鮮やかで、寿司などの彩りとしては外せませんし。個人的には、焼いても煮ても美味しい魚というイメージですね。ただ、『美味しんぼ』でも論じら得ていましたが、寄生虫の問題はあって、海原雄山は生では食べないと、宣言していましたね。陸上養殖だと、そこら辺の問題がコントロールできるのは、大きいでしょう。
■四万十川のスジアオノリ復活■
四万十川のスジアオノリ。四万十川特産の青のりなんだそうで、一般的な青のりはヒトエグサ科ヒトエグサ属のヒトエスジという種類なんですが、スジアオノリはアオサ科アオノリ属。元々が淡水と海水が交じる汽水域の青海苔ですから、陸上養殖もスムーズだったのでしょう。ヒラメの養殖場跡地を利用しての、養殖チャレンジ。ただ、清流の青海苔ですから、水質管理などはワサビの栽培と同じで、やはり大変なのでしょう。初の収穫ということで、道はまだ長いのですが。こういう話題は、地域の特産品を知る意味でも、興味深いですね。
【四万十川のスジアオノリ復活へ! 陸上養殖で初の収穫 四万十市の業者】高知新聞
四万十市でノリの加工販売を手がける加用物産(井沢)が同市下田に整備した陸上養殖場で12日、四万十川流域の種苗を使ったスジアオノリの初収穫に成功した。同市産のノリは近年壊滅的な不作が続いており、…
四万十川といえば、清流の代名詞なんですが、そこでも地元の青海苔の収穫が難しくなる。動物園が、希少動物の保護と研究と繁殖の場でもあるように、養殖が希少生物の保護に役立つ面もあると思うんですよね。
■高級魚タマカイの陸上養殖■
最後は、タマカイの話題。スズキ目ハタ科の巨大魚で、鹿児島や和歌山でも見つかることがあるようですが。Wikipediaによれば〔一般的には全長180cmだが、最大全長は270cmに達し、最大体重は400kgとなる。〕とのこと。海中で出会ったら、ぎょっとする大きさですね。釣り人なら、生涯一度は釣ってみたい大魚。ハタといえば、美味しい魚が多くいる種類で、大型になるものが多いですね。福岡では珍重されるアラ、これもハタ科のクエの九州の呼び名ですが、巨大魚なのに大味ではなく、美味しい魚です。福岡時代に、一回食いましたが。
【ハタ科の高級魚「タマカイ」の陸上養殖施設を整備へ 男鹿】NHK秋田
ことし3月に閉館した男鹿市の温浴施設を活用し、ハタ科の高級魚の陸上養殖施設を整備することになり、12日、地元企業が共同で設立した新会社が、市との立地協定を結びました。
立地協定を結んだのは、NTT東日本や、秋田銀行の子会社、それに、県内の水産業者などが、新たに共同で設立した「男鹿なまはげ魚工房」です。
巨大魚の割に、成長が早いハタ科の魚は、雌性先熟の性転換を行うタイプが多く、クエやアカマタもその例に漏れず。これ、逆に言えば、養殖して一番大きな個体が雌になって産卵したら、そのメスを隔離すると二番目に大きな個体がメスに性転換し、と順繰りに産卵させられそうですね。実際に可能かどうかは、わかりませんが。しかし、アカマタはインド洋など温暖な海が生息域なんですが、秋田で陸上養殖ってのが、ユニークですね。男鹿なまはげ魚工房ってのも、ネーミングがいいですね。こちらも卵殻で絶滅危惧種ですから、養殖が種の保護になる例になり、なおかつ事業としても成功すると、いいのですが。
◉…▲▼▲▽△▽▲▽△▽▲▼▲…◉
◉…▲▼インフォメーション▼▲…◉
noteの内容が気に入った方は、サポートでの投げ銭をお願いします。
あるいは、下記リンクの拙著&共著などをお買い上げくださいませ。
そのお気持ちが、note執筆の励みになります。
MANZEMI文章表現講座① ニュアンスを伝える・感じる・創る
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
いいなと思ったら応援しよう!
