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東芝がリチウムイオン電池で新技術

◉容量は旧来のリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)と同じぐらいなのに、約10倍以上の回数で超急速充電を行える長寿命性能を備えた新型のニオブチタン酸化物(NTO)負極リチウムイオン電池を開発したとのこと。なんかもう、夢のリチウムイオン電池と言うか……。

【東芝がNTO負極リチウムイオン電池で新技術、容量はLFP並みで超急速充電寿命は10倍】MONOlist

東芝は、リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)と同等の体積エネルギー密度を持ちながら、約10倍以上の回数で超急速充電を行える長寿命性能を備えたリチウムイオン電池を新たに開発した。同社が独自に開発を続けてきたNTO(ニオブチタン酸化物)を負極に用いており、バスやトラックなどの大型商用車に適しているとする。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2411/07/news099.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。


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■急速充電で長寿命■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。何がすごいって、この部分ですね。5分間で電池容量の約70%を充電できる超急速充電機能、つまりコンビニとかでスマートフォンなどちょっとチャージできれば、かなりの時間、使用可能。これなら、カートリッジタイプの予備バッテリーとか、ほとんど必要がなくなりますからね。パソコンなども、これなら連続的な使用が可能で、大助かりです。しかも、バスやトラックなどの大型商用車に適しているレベルで、大容量化も可能なわけですから。それこそ、スマホからバスまで、全対応の万能バッテリーになる可能性が。

 新開発のリチウムイオン電池は、5分間で電池容量の約70%を充電できる超急速充電が可能である。超急速充電と放電を1万5000回以上繰り返しても80%以上の電池容量を維持できる長寿命性能も有する。

加えて、超急速充電と放電を1万5000回以上繰り返しても80%以上の電池容量を維持できる長寿命性能ってのも、スマートフォンのバッテリーのヘタレ具合が気になる自分には、嬉しいですね。1万5000回以上って、1年365日の毎日充電しても41年使える計算。もちろん、そんな長期間、スマホやパソコンは使いませんが。でも長期間の運行が前提のバスや長距離トラックなら、10年や20年は、安心して使えるレベルですね。すばらしい、素晴らしすぎてフェイクニュースを疑うレベルです。

■寒冷から酷暑まで■

さらに、このニオブチタン酸化物を使用したNTO負極リチウムイオン電池、寒さにも強いようで。寒さといえば、EV車最大の問題点で、欧州のEV車シフトも、この問題が大きいんですよね。なにしろ、温暖な南仏ニースですら、日本では秋田や青森と、大して緯度が違いません。ドイツとか、国土のほとんどが樺太の緯度と重なりますから、日本人が思う以上に、ヨーロッパって北にあるんですよね。そうなると、寒波でバッテリーが急速にエネルギーを失って、立ち往生なんてことも。でも、マイナス30度に耐えられるなら、かなりの地域で使えるでしょう。もっとも、北欧のフィンランドでは、最低気温がマイナス50度を超えるようですが。

また、一般的なリチウムイオン電池では対応が難しい-30~60℃という寒冷から酷暑までの過酷な温度環境下でも超急速充電を行える。そして、NTO負極の特性としてリチウムの析出が原理的に起こらないことから発煙/発火のリスクが極めて低い。

日本では、青森県の最低気温がの記録は昭和6年2月23日 の氷点下24.7度とのこと。本州以南ならば、なんとかなりますね。60度というと、日本ならまず大丈夫、中東やアフリカの、かなり高温な砂漠地帯でも、かなりの地域をカバーできそうですね。こうなると、マイナス60までカバーできれば、世界中の殆どの地域で、使用が可能ですね。まぁ、よほど寒い地域は別途、バッテリーを温めるシステムを付属させれば、大丈夫でしょうけれども。ここらへん、地球温暖化議論の是非は置いておいても、世界に貢献する技術ですね。

■今後の課題は?■

残念ながら、電池の技術は、大都市の消費分を数日分レベルでためておく技術が、まだありません。ただ、こういう急速充電技術って、無駄なく電気を使うという点で、脱炭素社会に貢献している面も。こういう、素材研究では日本はまだまだ世界のトップクラスで、東芝とか残念なニュースが続いていますが、研究開発部門では、まだまだ力があるところを見せますね。ニオブやチタンの酸化物というと、高温超伝導のフィーバーのときに、しばしば耳にした物質ですが。日本人は伝統的に、化学が強いので。またこういう化合物の研究は、応用範囲も広いですし。今後に期待ですね。

 例えば、1回の充電で100km程度走行できる必要最小限の電池をEVバスに搭載した場合、1日あたり2、3回の超急速充電を繰り返すような過酷な運用条件でも15年以上(走行距離150万km相当)の利用が可能で、途中で電池を交換することなく、廃車まで使い続けられるようになる。

燃費の良い軽自動車とか、ガソリン満タンで800キロ前後まで走行可能とか。ルート配送のトラックとか、東名高速道路が346.7キロあり、名神高速道路が189.5キロで、合計536.2キロですから。できれば600キロを一気に走れるバッテリーがほしいですが。この新型のNTO負極リチウムイオン電池だと、けっこうなことができそうですね。大容量化は、また別のハードルがあるのでしょうけれども。高速・大容量・急速充電・長寿命・安全が、今後の課題でしょうけれども。こういうニュースを聞くと、ウキウキする小市民。


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