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大山のぶ代さん死去

◉90歳、大往生といえば大往生ですが……テレビ朝日版のドラえもんを1979年の最初から見ていた世代としては、とてもとても残念です。声優としてだけではなく、バラエティ番組では得意の料理の腕前を生かし、披露もされていらっしゃいましたし。近年は認知症で、表舞台に立たれることはありませんでしたが。老人ホームでもその人柄からか、人気者だったとか。

【大山のぶ代さんを追悼 ドラえもん役・水田わさび、野沢雅子がコメント】テレ朝ニュース

昭和から平成にかけてアニメ「ドラえもん」の声で親しまれた声優でタレントの大山のぶ代さんが9月29日、老衰のため亡くなりました。90歳でした。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_geinou/articles/000377580.html

代表作としては、どうしてもドラえもんということになってしまうのですが、ロボットアニメ好き としては、『無敵超人ザンボット3』の主人公・神勝平の声も、印象深いです。自分の生まれる前のアニメですが、『ハリスの旋風』の石田国松など、少年役には定評がありましたし。エッセイストや脚本家としての顔も持たれており、女優や声優としてだけではなく、幅広い活動をされていらっしゃいました。『やすきよ笑って日曜日』では、小料理屋の女将さん役で、自作の料理を毎週披露されていました。

2024年は大物声優の死去の報が多いのですが、のび太役の小原乃梨子さんが、7月に亡くなり。大山さんも後追うような感じになってしまいましたね。ジャイアン役のたてかべ和也さん、スネ夫役の肝付兼太さんも、すでに鬼籍に入り。1979年版ドラえもんの主要メンバーも、しずかちゃん役の野村道子さんを残すのみ。寂しくなりますが、それだけ 日本のアニメ 黎明期を支えた声優の皆さんが、老境に差し掛かったということですから。生老病死は世の常、昭和一桁の大山のぶ代さんが旅立たれるのも、仕方ないですね。

2005年に声優陣が刷新され、気がつけば来年でもう20周年ですか…。今回、大山のぶ代さんを追悼するのに併せて、水田わさびさんを腐すような内容がペケッターで散見されたのは、とても残念です。自分自身は何度か書いているように、子供の時に読んだ漫画版のドラえもんで、イメージした声はむしろ、水田わさびさんの声に近いです。大山ドラえもんは、やや母性が強く、水田ドラえもんは友達としてのドラえもんの雰囲気が、出ていますから。

そもそも漫画版のドラえもんは、のび太を呼び捨てにしたり、暴言も多いキャラクターでした。そこを大山さんが原作者の藤子不二雄 F 先生に提案し、のび太くんとくん付けで呼ぶ形に統一し、漫画にも逆輸入されたという経緯があります。これはこれで、アニメ版のドラえもんに大きく貢献したと思いますが。もう、現在の25歳以下の人たちは、大山ドラえもんの記憶もなく、そろそろ親子で水田ドラえもんの家族も出ているでしょう。30歳以上の世代が、大山のぶ代さんに特別の思い入れを持っているように、若い世代にもそれはあるのですから。

大山のぶ代さんのエピソードとしては、ゴミのポイ捨てをした不良少年を注意したら、ドラえもんに叱られたらしょうがないと、捨てたゴミを拾ってゴミ箱にして直したというエピソードがあります。教師の言うことを聞かない、親の言うことも聞かないような人間でも、ドラえもんの声で注意されたら素直に聞く。国民的声優とは、そういう存在なのでしょうね。できれば政府は、大山のぶ代さんに国民栄誉賞を検討していただきたいです。

大山のぶ代さんのご冥福を、お祈りします。合掌

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