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ニワトリはティラノサウルスにもっとも近い生物
◉もともと、ジュラ紀を代表する肉食恐竜であるアロサウルスと、ニワトリの脚部の骨格が似ていることは、指摘されていたんですよね。大型獣脚類は、形状が似ているので、脚の形もおおむね、似ていますし。ティラノサウルスは腕が小さいですが、近年の復元図は姿勢が鶏や鳩っぽく描かれることも多く。これも研究の成果ですが。
【ニワトリは「現代に生きる小さな恐竜」生物学者が解明した進化的つながり】Forbes日本語版
「T・レックス」とも呼ばれるティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)は、ポップカルチャーの世界で最も有名な恐竜と言っていいだろう。その地位は、1993年の映画『ジュラシック・パーク』で主役級の存在感を発揮したことで不動のものとなった。
映画館の大きなスクリーンに映るその姿は、カミソリのように鋭い歯、たくましい脚、骨も凍るような咆哮を備えた恐ろしい肉食獣だった──まさに、悪夢のような存在であると同時に、尽きない魅力を感じる対象でもある。
しかし、この先史時代に生息した巨大恐竜の現存する子孫を見たいのなら、それほど遠くまで探す必要はない。最寄りの農園に向かい、ニワトリ小屋に目を向けるだけで済むはずだ。そう、ごく普通のニワトリ(学名:Gallus domesticus)、さらに言えば、すべての現生鳥類は、今生きているなかでティラノサウルスに最も近い生物だ。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、恐竜のフィギュアを使った写真です。
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■鳥類は恐竜■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。自分たちが小学生の頃は、始祖鳥は恐竜から取りに進化している途中の化石と、説明されていたのですが。実際は、鳥類は恐竜が進化したものではなく、現代に生き残った恐竜の一種だというのが、現在の見解 なんですよね。進化という言葉はけっこう曖昧に使われていますが、両生類から爬虫類が進化したというような大きな進化と、両生類の中での小さな進化は、分けるべきなんですよね。その意味で、鳥類の進化というのは哺乳類の中から飛べるコウモリが進化したようなもの。
ニワトリをティラノサウルスと結びつける最も説得力のあるエビデンスの1つは、古生物学者のメアリー・シュバイツァーの発見からもたらされた。同氏が率いるチームは2005年、ティラノサウルスの大腿骨を分析していた際に、軟組織の残存物を発見した。6800万年前から残っていたコラーゲン(タンパク質の一種)だ。
そもそも鳥類は、恐竜の中でも鎖骨がある古い形状を残すタイプで、コレが空を飛ぶために前肢が発達し、進化したもの。空を飛ぶためには 最初のうちが、体が小柄な方が風に乗りやすく、有利ですからね。逆に、ティラノサウルスは陸上での進化に特化し、前肢は異常に小さくなり。恐竜が絶滅した後に、鳥類の一部が大型化し、出現した恐鳥類とか、やはりアロサウルス や ティラノサウルスによく似た 骨格をしていますね。エミューやダチョウなどの現在の走鳥類も、前肢は小さくなっていますしね。使わない部分は小型化するのはよくあること。
■羽毛と恐竜■
恐竜の研究が進むと、羽毛自体が実はかなり早い段階から、恐竜に備わっていた可能性が、見えてきました。自分が大学生ぐらいの頃、恐竜温血説が書籍などでも紹介されだし、でも羽毛は一部の獣脚類にしかないと考えられていたのですが。それがだんだん、いろんな種類の恐竜にも存在することが発見され。さらに、白亜紀の中期ぐらいに出現したと考えられていた羽毛が、白亜紀前期のシノサウロプテリクスから発見され。もっと古いジュラ紀や三畳紀の恐竜にも、原始的な羽毛があった可能性が指摘され。自分たちが持つ恐竜のイメージ自体が、どんどん変わっています。
恐竜と鳥類の結びつきは、羽毛を見るとさらに明確になる。ティラノサウルスの近い親戚にあたるユウティラヌス(学名:Yutyrannus huali)をはじめとする、獣脚類に属する種の多くには、羽毛が生えていた。その当初の役割は、飛行ではなく、保温やディスプレイ(求愛や威嚇のための示威行動)だったとみられている。
ティラノサウルスの先祖は、アジアで生まれて発達し、これが現在の北米にあたる地域で、かなり巨大化したのですが。こちらも、小型の頃には羽毛があったことがわかっており。ティラノサウルスも、身体の一部に羽毛があった可能性が、指摘されています。鶏も、足の先には羽毛がなく、鱗が残っていて。つま先まで 羽毛がある鳥類は、雷鳥など一部の鳥類にとどまっていますから。進化というのは部分的に大きく進化することもあれば、意外に古い形状が残ったままということも。卵を産むカモノハシなども、そういう古い形状を残した生物ですからね。
■恐竜の移動■
魚類のサメと魚竜のイクチオサウルスと哺乳類のイルカの形状が似ているように。合理性を求めると似たような形状になる、収斂進化の例はよく見られます。鶏と、アロサウルスやティラノサウルスの脚部の形状が似ているのであれば、それは生活の環境や行動が、似ていた可能性があるわけで。現在のキリンとブラキオサウルスの形状が似ているのも、高いところにある植物を食べるという食性と、背の高い植物が豊富にあったという環境が、もたらした進化ですから。鶏は飛ぶ能力がほとんどなくなってしまったという点において、ティラノサウルスやアロサウルスに似た、陸上生活をしていた可能性があります。
一例を挙げると、鳥類の移動様式に関する研究から、獣脚類の恐竜との類似点が明らかになっている。ニワトリが走る時の足取りは、小型の獣脚類に近いとされており、はるか昔の先祖がどのように移動していたのかという謎を解明するのにひと役買っている。
遺伝子工学がもっと進んでいくと、原生の生物に残された遺伝子から、その先祖の形状を再現することが可能なのかもしれません。人間の胎児の研究でも、発生の初期段階では魚のようなエラが現れたり、受精卵の段階から進化を再現している面があるようです。であるならば、鶏の遺伝子から、ティラノサウルスと共通の先祖のレベルの段階の遺伝子を取り出し合成できれば、現在のジュラシックパークを、再現することも可能かもしれません。ただそうなったら、ティラノサウルスがコアラやカバのような、愛嬌のある外見なのかもしれませんね。それはそれで見てみたいですが。
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