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関西電力子会社が陸上エビ養殖に成功

◉以前にもnoteで取り上げたのですが、関西電力の子会社が、エビの陸上養殖に進出したという話題。対外的に、成功といえるレベルまでに達したようで。今回のインタビュー記事、この会社の戦略とか具体的な方法とか、かなり詳しく語られていて、かなり面白い内容になっています。淡水と海水が同じ場所で引けるというのは、立地を考えると面白いですね。そういう立地の場所は、全国各地にありますが、採算性となると限られるでしょうから、ポイントが興味深いです。

【関西電力子会社がエビの陸上養殖に成功--異業種参入で日本の自給率向上に挑戦】CNET

 テクノロジーを活用して、ビジネスを加速させているプロジェクトや企業の新規事業にフォーカスを当て、ビジネスに役立つ情報をお届けする音声情報番組「BTW(Business Transformation Wave)」。スペックホルダー 代表取締役社長である大野泰敬氏をパーソナリティに迎え、CNET Japan編集部の加納恵とともに、最新ビジネステクノロジーで課題解決に取り組む企業、人、サービスを紹介する。

 ここでは、音声番組でお話いただいた内容を記事としてお届けする。今回ゲストとしてご登場いただいたのは、海幸ゆきのや 代表職務執行者の日納真吾氏。関西電力の子会社として、エビの陸上養殖を手掛ける異色の経歴の背景を聞いた。

https://japan.cnet.com/article/35219227/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、色鉛筆で描いたエビのイラストだそうです。写実的で、美味そうかつ上手いですねぇ🦐

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■関西電力だが磐田市■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。関西電力の子会社なんですが、ジュビロ磐田で知られる、静岡県磐田市で、こういう試みというのが興味深いですね。まったくの僻地ではなく、プロのサッカーチームができるぐらいの人口がある地域だと、東京などの大都市への出荷のみならず、地産地消も期待できますからね。また、静岡県ならば、東京にも名古屋にも、出荷できますから。そういう意味では、絶妙な立地に思えます。今後、各地のサッカーチームがある地域が、陸上養殖の候補になる……かはわかりませんが、検討に値しますね。

Jリーグは、最終的には47都道府県にプロチームがある状況を、理想としていますが。陸上型養殖が、日本各地で展開される可能性。まぁ、プロチームがある30万都市や50万都市なら、それなりの経済力と消費需要がありますからね。エビとかカニとか、アレルギーがある人はともかく、甲殻類はみんな大好きですし。「水産事業の人脈づくりは地道な積み上げ」って、地に足のついた営業戦略もいいですね。先ずは、地元での安定した消費があってこそ。地産地消が流通の基本。基本あっての応用。

■九州でも陸上養殖が■

九州では、有力企業の九州電力やRKB毎日放送などが、陸上養殖に取り組んでいます。電力会社が陸上養殖って、けっこう狙い目なんですかね? 考えてみたら、発電所の予熱や排熱を上手く利用すれば、寒い地域でも安定した養殖が可能でしょうし。もし、第四世代炉の高温ガス炉とか実用化されれば、それこそ温かい海の魚を北海道や東北でも養殖できますし。逆に、余剰電力で九州でも北の魚を養殖できるでしょうし。そう考えると、割合と相性が良いのかもしれませんね。

九州は地域全体の人口が1256万人しかおらず、これって東京都より少ないんですよねぇ……。まぁ、関東圏に4434万もいて、日本の全人口の35%も固まっている一極集中が、問題なんですが。本土には2000メートル級の山がない九州よりも、はるかに急峻な3000メートル級の山岳地帯がある台湾は、それでも2339万人の人口があり、九州と近い面積である点を見ると、まだまだ開発の余地はあるんですよね。TSMCの工場誘致で、そっちに注目が集まっていますが。

以前から書いていますが、農業や漁業、林業などの一次産業は、イメージの問題と生活の安定度の問題で、後継者不足に陥っています。でも、大企業の社員として農林水産業に従事するなら、ずいぶん違うと思うんですよね。食の安全保障を考えれば、一次産業はやはり、ある程度の自給率が必要ですから。大企業の一次産業進出に、ある程度は軌道に乗るまでのスタートアップ補助金は、有りでしょうね。恒常的な補助金は、利権になるので反対ですが。持ち主不明の土地も、全国で九州ぐらいの面積になっているとか。

■昆虫食は養殖魚へ?■

ちょっと別の話題ですが、コチラも養殖繋がりで、ご紹介。個人的には、昆虫食の推進自体は反対ではないのですが、どうにもプロモーションが下手クソで。それなら、養殖魚に餌として与えるのは、悪くない発想。これも、施設を隣接させれば、管理面や廃熱の利用など、メリットが多そう。問題は、人間が直接食べるより魚の飼料とする場合、効率はどうしても下がるのですが。そこは、大量飼育で高級魚の生き餌にして、上手く相殺できれば。エビとか甲殻類なら、チキン質の補給にもなるでしょうし。

【養殖の魚は「昆虫」で育つ コスト安定、魚粉代替へ脚光】日経新聞

これからの魚は「昆虫」で育つ――。水産養殖の現場で、代表的なエサである魚粉を補う飼料として、たんぱく質が豊富な昆虫からつくる飼料が注目され始めた。昆虫飼料を安定的に供給することで、価格変動の大きい魚粉に頼るよりも養殖現場のコストを抑え、養殖物の生産を拡大しようという動きが広がりつつある。

マダイの海面養殖量が日本一の愛媛県から、2024年秋、エサの一部に昆虫飼料を使って育てられた約1万3000尾...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB117NV0R10C24A3000000/

昭和の時代、自民党の票田であった農林水産業ですが。今は、後継者不足。でも、何度か書いているように、日本の農業は就業人口が意外に多く、また三ちゃん農業でなんとかなっているので、家族が食べる分の米があれば、という小規模農家が多く。ここを、もっと減らして企業が集約農業化できれば、可能性が広がるように。陸上養殖が、新しい形の漁業を示せば、まだまだ変化していけると思いますので。期待したいです。


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