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養殖ネタ:茨城マサバ・四国サーモン・宮城アコヤガイ・富山ウニ

◉養殖ネタがまたたまったので、一挙の放出をば。農林水産業は後継者不足が、昭和の昔からもう何十年も言われていますが。農林水産省の発表とは逆に、農業はこれから成長産業だという指摘もあり。水産業は少なくとも、養殖分野に関しては、大手企業がどんどん 参入し、活況を呈してる面さえあります。ということで 今回のお品書き。

・茨城県の常陸乃国まさば
・JR四国が養殖サーモン初出荷
・宮城県沖でアコヤ貝を発見
・富山の陸上ウニ養殖

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、サバのイラストです。


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■常陸乃国まさば■

詳しくは、各リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。まずは茨城県の養殖のマサバの話題。サバといえば、関サバなどがいち早く ブランド化に成功し、高値で取引されていますが。関さばとは、豊予海峡(速吸の瀬戸)で漁獲され、大分県大分市の佐賀関で水揚げされるサバのブランド名で、地域団体商標も取得しているほどです。でも、天然物はどうしても、漁獲量にばらつきが出るものです。まぁ、それが希少性を高める面もあるのですが。養殖魚なら、その心配がありませんからね。

【茨城県が養殖マサバ「常陸乃国まさば」初出荷 「地元の名物に」】水戸経済新聞

 茨城県が12月20日、「常陸乃国まさば」の初出荷を行った。同日、茨城県内の飲食店でマサバを使ったメニューの提供が始まった。

「常陸乃国まさば」
 2022年度から那珂湊漁港で養殖に取り組んでいる「常陸乃国まさば」。11月26日は、横浜冷凍、那珂湊漁業協同組合、茨城県立海洋高校の教員と水産クラブの生徒たち、地元飲食店の関係者が県庁を訪れ、大井川和彦知事にマサバのブランド名を「常陸乃国まさば」とすることを発表した。

https://mito.keizai.biz/headline/2587/

鯖といえば、アニサキスの問題がありますが。アニサキスは、なかなか簡単に死なない寄生虫で、その激痛で救急車を呼ぶ人も多く、昔は開腹手術も必要でした。自分が子供の頃は、アニサキス=森繁久彌さんのイメージが有りました。この常陸乃国まさば、人工種苗由来で人工餌料による育成を行うことで、アニサキスのリスクを低くし、生食を推奨できる点が売りのようで。『美味しんぼ』などの悪影響で、養殖物は天然物より味が劣るという思い込みがありますが。そんなこともなく。寄生虫のリスクとか、むしろ安全性は高まりますからね。こういう部分でのブランド化には期待。

■四国ミルクサーモン■

一方、四国はサーモン養殖です。こちらは、ミルクサーモンというブランド名で、ネーミング的には女性客を狙っている感じ。実際、回転寿司では女性にサーモンが人気だそうですし。サーモンは、寿司にして良し、焼いて良し、ルイベにして良し、マリネにして良しと、万能選手でもありますから。ミルクサーモンは、キングサーモンとニジマスなどを掛け合わせた品種で、まずは150匹ほどが出荷とのこと。ハイブリッドタイプは、病気に強かったり味が良かったりと、プラス面も多いんですよね。

【JR四国 新規事業の養殖サーモンを初出荷へ 26日から東京のホテルやスーパーで販売】瀬戸内放送

 JR四国が新規事業として取り組んでいる「養殖サーモン」のブランド名と販売計画などを発表しました。
(中略)
 JR四国は2025年の夏には2000匹ほどの出荷を見込んでいて、四国に養殖拠点を設けた上で2030年ごろまでに1億円以上の売り上げを目指します。

https://news.yahoo.co.jp/articles/28461f384ac3409d82a479d039b34646df662a5c

JR四国という大きな企業が、異業種に進出ってのは、歓迎ですね。JR各社はどうやら、経営の多角化に積極的な面があり、個人的には評価しています。運輸という、ある意味で安定した収入がある会社が、こういう長期的な投資が必要な事業に進出するのは、相性もいいですからね。で、地元で作った名産品をJR貨物を利用して各地に出荷する。一石二鳥ですね。JR四国が成功すれば、他の地域のJRグループも、養殖業に進出するかもしれませんので。そういう意味でも、この事業はモデルケースとして成功して欲しいですね。

■宮城県のアコヤガイ■

そして、宮城県はアコヤガイ。真珠を作る貝として、知られていますね。洋食と言うとどうしても食べ物のイメージがありますが。真珠もまた、天然物と養殖ものがありますからね。元々 真珠は天然物しかなかったわけですが、ミキモト真珠の創業者である御木本幸吉が、世界で初めて成功したのが1893年。おかげで紅海などの天然真珠が大打撃を受けたとか。真珠は、いろんな貝から取れるのですが、やはり育ちやすいのはアコヤ貝。温暖な海に生息する貝なので、宮城県でも養殖できるとなると、これまた高付加価値の養殖業ですね。

【“アコヤガイ 宮城県沖で初確認”と知事発表 真珠養殖を検討へ】NHKニュース

宮城県の村井知事は23日の記者会見で、真珠の養殖に使われるアコヤガイが宮城県沖で初めて確認されたと発表しました。今後、県内での真珠養殖に活用できるか、検討したいとしています。

アコヤガイは真珠の養殖に使われる二枚貝で、海水温が12度前後に下がると死滅してしまうことから、生息の北限は太平洋側では千葉県とされてきました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241220/k10014673021000.html

これも、地球温暖化の影響でしょうか。黒潮が当たる地域は、やはり海水温が暖かく。紀州沖とか、珊瑚礁があるんですよね。沖縄とかのテーブル珊瑚や脳珊瑚とは、ちょっとイメージが違いますが。で、房総半島ぐらいまでが、黒潮による温暖な地域というイメージがあります。まぁ、鹿児島県の人間からすると、寒いのですが。北からの親潮(千島海流)がぶつかるのが房総半島のあたりで、以北の海はどうしても、海水温が低いというイメージがあったのですが。宮城県で可能ならば、福島とかでも可能かもしれませんね。こちらも期待です。

ウィキペディアより

■富山の陸上養殖ウニ■

そして、富山でのウニの養殖の話題。富山県といえば、沖縄県と並ぶ昆布の消費地域として有名で。昆布の生産の約9割は、北海道産なのですが。北前船の寄港地として、東北北海道の昆布が富山で卸され、加工されて。京都や大阪の昆布出汁をベースとした文化も、北陸と京都の地理的な近さが理由です。若狭の小浜は陸路で京都まで十八里と近く。あと、北前船を仕切っていたのが、滋賀の近江商人なんですよね。で、そんな昆布好きの富山県民としては、ウニが大量発生して昆布を食い荒らされると、大問題。でも、ウニは高級食材でもありますから。

【駆除ウニ朝日で食用化 大規模畜養施設建設へ】読売新聞

 藻場を荒らすウニを商用化させる技術を持つ「ウニノミクス」(東京都)は25日、朝日町でウニの大規模畜養施設を建設することを明らかにした。2026年1月以降の本格稼働を目指す。(古池徹)

https://www.yomiuri.co.jp/local/toyama/news/20241226-OYTNT50072/

そういえば、北海道のウニは名産ですが。これも昔は、昆布を食い荒らす困りものだったようで。特に、ウニの天敵であるラッコが、その高品質の毛皮目当てに取り尽くされたり、全滅したり激減すると、ウニが大量発生したようで。ウニの好物は海藻。で、ラッコは夜眠る時に体に海藻を巻きつけて、波で流されないようにするそうで。海藻とウニとラッコは、ひとつの生態系なんですね。そのラッコが減ってウニが増えた結果、逆に名物として、商売にしたと。こういうのも、逆転の発想ですね。

で、富山湾のウニも、いっそのことを養殖し、名物にしてしまえという発想。富山湾は元々、海の幸が豊富で美味しいと評判の地域、ブランド化も比較的簡単でしょうし。朝日町の陸上施設は、世界最大規模で総工費は約35億円とのこと。それだけの投資をしても充分なリターンがあるという、計算がたっているのでしょう。土木建築業など地域経済としても、これはなかなか景気の良い話かと。後は、寄生虫のいないサバやミルクサーモンのように、ブランド力を高めるための差別化ですね。


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喜多野土竜
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