絶滅危惧種とiPS細胞
◉iPS細胞といえば、どうしても肝臓や心臓や腎臓などの、臓器移植の方に関心が向けられますが。クローン技術と地続きの分野ですからね。人間の場合は、倫理的な問題があるので、クローンは御法度。少なくとも現時点では、コンセンサスは得られていませんね。しかしこれが動物、しかも絶滅危惧種の保存ということになると、倫理的な壁はほぼ無いと言っていいでしょう。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、北アルプスでお会いした夏毛の雌のライチョウさん、だそうです。水墨画のような美しさ。
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■日本という環境■
ライチョウやイヌワシ、シマフクロウ、ヤンバルクイナなど、日本は意外と絶滅危惧種の鳥類が多いんですよね。ニッポニア・ニッポンことトキは、絶滅してしまいましたし。島国で亜種や固有種が多いというのも、大きいのでしょう。コウノトリの国内のものは絶滅しましたし、丹頂鶴なども江戸時代は、現在の三河島のあたりにも、飛来していたぐらいだったのに。今は釧路湿原などにしかいませんからね。
iPS細胞の場合、どうも人間の研究は進んでいるのですが、動物の研究となるとまた勝手が違うようで。さらに言えば、哺乳類と鳥類では同じ動物と言っても、いろいろ違う面があるようで。両生類や爬虫類では、体の一部を欠損しても、再生する種類もいます。単性生殖をする種類もいたりしますからね。そうなると、緊急はまた一から積み上げていかないといけませんしね。でも、ズーストック計画と同じで、価値がある研究だと思います。
■ライチョウ復活の可能性■
ライチョウといえば、世界中にいる鳥類ではあるのですが。高山の寒冷な気候を好むため、山岳地帯事に孤立しやすく、亜種が多い種類として知られています。羽根の模様などに、違いが出やすいようで。こちらの方は上でリンクした過去noteのように、動物園で人工飼育して数を増やして自然に返す試みが、成果を上げつつあるようです。こんな記事がありました。
思った以上に、順調ですね。しつこく書きますが、佐渡島のトキの場合は、自然繁殖にこだわった地元の環境保護団体のせいで、人工繁殖への試みが大きく遅れ、絶滅を早めた面がありますから。化学調味料を毛嫌いする上級国民のようなもので、人工繁殖だろうが自然繁殖だろうが、絶滅させないことが最優先のはずで。手段が目的化してしまっては、まさに本末転倒。iPS細胞の利用も同じでしょう。
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